約1分で粒子径分布測定と粒子形状解析を実行、半導体や医療業界など向け:FAニュース
堀場製作所は、粒子径分布測定と粒子形状解析を同時に実行できる装置「Partica」を発表した。測定結果と解析結果を約1分で得られ、先端マテリアルの研究開発や品質管理の高度化と効率化に貢献する。
堀場製作所は2024年12月10日、粒子径分布測定と粒子形状解析を同時に実行できる装置「Partica(パーティカ)」を発表した。エネルギーや環境、バイオ、ヘルスケア、先端材料、半導体業界に向け、2025年1月6日に販売を開始する。
新開発の装置は、レーザー回折や散乱式による粒子径分布測定機能と、動的画像解析式による粒子形状解析機能を標準で搭載。測定結果と解析結果を約1分で得られ、個別の装置を使う場合との比較で測定時間を最大50%削減でき、先端マテリアルの研究開発や品質管理の高度化と効率化に貢献する。
2つの測定手法を用い同一カ所を同時に測定することで、大きさと形状の両方が重要な医薬品の吸収効率や、生産性に影響する粉体の流動性の解析などを短時間で実行できる。また、医薬品や食品といった水に溶けやすい試料や、電池材料などの高濃度な試料はこれまで測定できる条件が限られていたが、同装置の導入により詳細な解析が可能になる。
レーザー回折および散乱式では、標準粒子の規格から±0.6%以内の高精度測定と10nm〜5mmのワイドレンジを継承。同時に、光学システムの改良を重ねることで、さらなる高感度化につなげている。
動的画像解析式では、1ピクセル当たり最小0.24μmの解像度を備えており、ナノ粒子の粒子径分布と、極めて少量の粗大粒子の把握が求められる半導体製造向け研磨剤などの品質管理向上に寄与する。
ソフトウェアの刷新によりプラットフォームの操作性と拡張性が向上しており、遠隔操作や自動化、医薬品業界などで求められるデータインテグリティ対応をはじめ、多様なニーズに応える。また、モジュール設計の採用により、ハード面でのカスタマイズ性の向上とメンテナンスの負荷軽減に貢献する。
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