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機構制御系のモデリング(その3) 〜回転2関節機構の運動学・動力学を考える〜1Dモデリングの勘所(38)(5/5 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。連載第38回では「機構制御系のモデリング(その3)」と題し、回転2関節機構の運動学、動力学を考えるについて考える。

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逆問題の留意点

 以上、円軌道を例に説明したが、軌道は任意の直線、曲線、動き方も任意の速度変化でも同様にして逆解析が適用できる。ただし、その際、事前に機構先端の可動範囲を確認しておくことが重要である。図12に逆問題1および逆問題2の機構先端の可動範囲を示す。このように、以上で与えた機構の動きはこの可動範囲の中に納まっていることが分かる。

逆問題を解く際の留意点
図12 逆問題を解く際の留意点[クリックで拡大]

 ここまでは関節の数が2つの場合であった。関節の数が3の場合を図13に示す。このときの、機構先端の座標(x,y)は式8で表現できる。

回転3関節機構
図13 回転3関節機構[クリックで拡大]
式8
式8

 これから分かるように、順問題は難なく解くことができる。しかし、逆問題の解は無限個存在する。Modelicaを利用すれば、無限個の解のいくつかを求めることはできるが実用的ではない。このような場合は、障害物を回避するなどの制約を設けて解くことになる。



 次回は、ラグランジュの方程式について解説する。 (次回へ続く)

⇒連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール:

大富浩一(https://1dcae.jp/profile/

1Dモデリングの方法と事例(日本機械学会)

日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。


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