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ホンダが全固体電池のパイロットラインを公開、2025年1月稼働:電動化(2/2 ページ)
ホンダは本田技術研究所の栃木Sakura(栃木県さくら市)の敷地内に建設した全固体電池のパイロットラインを公開した。
生産技術部門も参加
全固体電池の材料や仕様を決定する前の段階から生産技術部門が開発に参加し、車両の搭載に適した構造や材料、製造方法を検討する体制でパイロットラインを立ち上げており、材料の選定などにも生産技術部門が関わっている。
全固体電池の生産には、従来の液系リチウムイオン電池の製造プロセスをベースにしながら、全固体電池特有の固体電解質層の緻密化と連続加工に対応したロールプレス方式を採用する。電極界面の密着性を高めながら生産性も向上させる。
正極と負極の一体化を含む一連の組み立てプロセスは集約することで高速化し、1セル当たりの製造時間を大幅に短縮することを目指す。また、作業の安全性や電池性能の確保に必要な低露点環境を最小化する生産管理技術を構築するなど、使用電力の低減にも取り組む。
高効率な生産プロセスによってコスト競争力を高めるとともに、四輪車だけでなく二輪車や航空機などさまざまなモビリティに適用を広げてスケールメリットを生かしたコスト低減も図っていく。
パイロットラインへの投資額は430億円で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金による助成事業の成果をパイロットラインに一部活用している。
画像で見る全固体電池のパイロットライン
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