GAIA-Xが目指す自律分散型データ共有、“灯台”プロジェクトは協調から競争領域へ:加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(4)(4/5 ページ)
欧州を中心にデータ共有圏の動向や日本へのインパクトについて解説する本連載。第4回は、第3回で取り上げたIDSAと並んで業界共通での仕組み作りを担うGAIA-Xを紹介する。
(6)【越境連携】Boot-X
欧州と中国など国を超えたデータ交換に主眼を置いたデータスペース。Huawei EDS(Exchange Data Space)の一部。Boot XコネクターはEclipseデータスペースコネクター(EDCコネクター)と互換性を有する。現状は自動車をはじめとしたサプライチェーンにおけるデータ交換に主眼を置く。
(7)【スマートシティー/都市】ELINOR-X
スイス発のスマートシティー/都市のデータ連携プロジェクト。公共部門、企業、市民からのデータを安全かつ構造的に交換し、効果的な利用と可視化を可能にする。ELINOR-Xは、ローカルで接続可能な都市データコラボレーションシステムを構築。以下のようなユースケースがある。
- 共同都市データセット
- 共同都市データマップ
- 協調型都市デジタルツイン
(8)【データトラスト】EuroDaT
データ連携におけるデータトラストの確保のための法的/技術的枠組みの確立。以下のようなユースケースがある。
- 詐欺および金融犯罪の捜査における信頼性担保
- 金融機関におけるESG投資の判断における信頼性担保
- 個人の財務情報/データの信頼性担保
- 学術研究用のミクロデータセットの信頼性担保
(9)【エネルギー】Energy data-X
ドイツのエネルギー業界向けのデータ連携プロジェクト。再エネ発電システム、エネルギー貯蔵システム、EV(電気自動車)、電力消費者などにおけるデータ連携を実現する。シュナイダー、E.ON、マイクロソフト、フラウンフォーファー研究所などが参画。ドイツ連邦経済・気候保護省から資金提供を受ける。
(10)【エネルギー】Omega-X
大学/研究機関、都市/エネルギー企業などが参画するプロジェクト。欧州10都市においてパイロットプロジェクトが展開されている。エネルギーの需要/供給、発電施設などのデータの共有により、再エネ活用/水素活用の拡大、エネルギー効率の向上、エネルギートレーサビリティーの担保、EV利用の最適化などを行う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.