無線通信/制御/デジタル信号処理の機能を拡充、モデルベース開発環境の最新版:組み込み開発ニュース
MathWorksは、「MATLAB」および「Simulink」製品ファミリーの最新リリース「Release 2024b」を発表した。無線通信、制御、信号処理アプリケーションに関連した複数のメジャーアップデートがある。
MathWorksは2024年9月12日、モデルベース開発環境である「MATLAB」および「Simulink」の製品ファミリーの最新リリース「Release 2024b」を発表した。無線通信、制御、デジタル信号処理アプリケーションに関連した複数のメジャーアップデートがある。
同製品は、New Radioおよび5G-Advancedシステムのモデル化、シミュレーション、検証機能を提供する5G Toolboxで、6Gの波形生成や5G波形の信号品質評価が可能になった。Simulinkで信号処理アプリケーションを開発するためのDSP HDL Toolboxには、対話型DSP HDL IPデザイナーアプリを追加し、DSPアルゴリズムの構築とHDLコードの生成、検証用コンポーネントの生成に利用できる。
Simulink Control Designは、Simulinkでモデル化した制御システムの設計と解析に使用でき、スライディングモード制御や反復学習制御などの非線形制御、データ駆動型制御手法の設計と実装に対応する。
System Composerは、モデルベースドシステムズエンジニアリングやソフトウェアアーキテクチャモデリングのためのアーキテクチャ仕様作成と解析を可能にし、サブセット化したビューの編集や、アクティビティー図とシーケンス図を使用してシステム動作の記述に対応する。
Neural Processing UnitのQualcomm Hexagon用のハードウェアサポートパッケージを利用すると、Simulinkとモデルベースデザインを活用してDSPアプリケーションを開発し、Snapdragonプロセッサに量産品質のCコードを展開できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない モデルベース開発入門
あなたは人に「モデルベース開発」を正しく説明できるだろうか? プロセス改善手法の1つであるモデルベース開発の概念や特徴について解説 - トヨタが「MATLAB/Simulink」を包括契約に変更、IT管理面の課題を乗り越える
MathWorksは、トヨタ自動車がモデルべース開発環境「MATLAB/Simulink」の包括契約を行ったことを発表した。これまでは、部署ごとなどの個別契約で利用していたが、モデルベース開発が可能な人材の育成などでより柔軟にMATLAB/Simulinkの活用が必要になっていることに対応するため、包括契約への変更に踏み切った。 - モデルベース開発環境の最新版、衛星通信システム向けツールをアップデート
MathWorksは、モデルベース開発環境「MATLAB」「Simulink」の最新版「Release 2024a(R2024a)」を発表した。衛星通信システム向けの「Satellite Communications Toolbox」をアップデートし、シナリオのモデル化に対応した。 - マスワークスがテスト/解析機能を拡充、故障注入の前倒しと動的テストが可能に
マスワークスのモデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」は半年に1回のアップデートを行うことで知られている。2023年9月発表の「R2023b」ではテスト/解析関連の機能を大幅に拡充した。 - MATLAB/Simulinkに動的テストの開発を支援する新製品を追加
MathWorksは、モデルべース開発環境「MATLAB/Simulink」製品ファミリーの最新版「Release 2023a(R2023a)」を発表した。 - スタートアップ向けに「MATLAB/Simulink」を優待価格で提供
MathWorksは、「MATLAB」や「Simulink」製品に加え、多様な産業分野別のツールボックスを含む標準スイート2製品を発表した。スタートアップ企業向けに、優待価格で提供する。