広がるDisplayPortの市場、車載向けも「AE」で浸透図る:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
VESAは、DisplayPortをはじめとする標準規格の策定や認証などの最新状況について説明した。
ディスプレイの性能認証の規格も展開
VESAでは、DisplayPortと関連するディスプレイの性能認証の規格として、HDR(高ダイナミックレンジ)性能を示す「DislayHDR」や、モーションブラー性能を示す「ClearMR」なども展開している。
これらと同じ性能認証の規格となっているのが、可変リフレッシュレートディスプレイの画面性能を示す「Adaptive-Sync」である。このAdaptive-Syncの規格策定に携わっているのが、ヌヴォトン テクノロジージャパン 主任技師の高橋学志氏である。高橋氏は「半導体メーカーである当社はディスプレイ向けの製品を多数展開しており、それらの開発の一環としてAdaptive-SyncなどVESAの活動に参加している」と説明する。
Adaptive-Syncは、GPUボードにおける3D映像表示のレンダリング処理とディスプレイ側のリフレッシュレートを同期させることで画面表示を制御するためのプロトコルである。ゲーミング用途以外にも、映画などで一般的なフレームレートである23.98fpsから60fpsへのシームレスな切り替えなどに用いられている。
VESAはこのAdaptive-Syncのコンプライアンステストを通じて、ディスプレイ製品へのロゴ掲載が可能になるプログラム「Adaptive-Sync Display CTS」を提供している。2023年11月に発表したバージョン1.1aでは、解像度とフレームレートが異なる2種類のモードを同時に認証するデュアルモードに対応した。
なお、ディスプレイインタフェースの規格として、DisplayPortの他に広く採用されているのがHDMIだ。チョート氏は、HDMIとの競合について「より高い性能が求められるPC向けを中心に活動してきたDisplayPortと、HDMIはテレビやゲーム機向けが中核になっているという違いはある。どちらのインタフェースを使うかは最終ユーザーが決めることだが、多くの機器が両方のインタフェースを搭載しているので大きな問題にはならないだろう」と述べている。
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