350A半自動溶接機の5機種を統合、ミドルレンジ価格のハイエンド溶接機投入:FAニュース
ダイヘンは、350A半自動溶接機のラインアップ5機種を統合したハイエンド溶接機「Welbee The Short Arc」を販売開始する。ミドルレンジ機並みの価格で、ハイエンド機と同等以上の性能、機能を持つ。
ダイヘンは2024年9月12日、350A半自動溶接機としてラインアップする5機種を統合したハイエンド溶接機「Welbee The Short Arc(ウェルビー ザ・ショートアーク)」の販売を開始すると発表した。価格は半自動仕様一式で、96万6000円(税抜き)。同年9月17日から受注を開始し、年間6000式の販売を予定している。
同製品はミドルレンジ機並みの価格でありながら、ハイエンド機と同等以上の性能、機能を持つ。低スパッタモード標準搭載で大粒のスパッタ発生を抑制し、スパッタ除去などの後工程を大幅に削減する。独自の新波形制御により、手振れや溶接姿勢などの影響を抑えた安定したアークも得られる。溶接時のエネルギー消費効率を高めたことで、サイリスタ機に比べて消費電力およびCO2排出量を20%削減した。
新規搭載された「溶接アドバイザー機能」は、知りたい情報をQ&A形式でサポートする。また、「溶接ガイド」は板厚と継手形状を選択するだけで、最適な溶接条件を自動設定できる。
精密部品搭載エリアに粉じんが入りこまないサイドフロー構造で、ケースを開けずにエアブローが可能。堅牢性、信頼性、メンテナンス性を高めている。
新型ワイヤ送給装置は、重量が従来比25%減の10kgになり小型、軽量化。運搬時の負担を軽減するため、重量バランスが最適化されている。ワイヤ送給性能は、4ロール送給方式により安定してパワフル。メンテナンスの手間を省けるように、送給ロールなどの消耗部品は工具レスで交換可能だ。
新型溶接トーチは、握りやすいように形状が一新された。樹脂部はバイオマス素材で、樹脂成形におけるCO2排出量を75%低減している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- EVワイヤレス給電協議会が設立、関西電力、ダイヘン、シナネンらが発起人に
関西電力、ダイヘン、シナネン、三菱総合研究所、米国WiTricity Corporationの5社は、電気自動車の普及を支える社会インフラとして、ワイヤレス給電を実用化し普及させていくため「EVワイヤレス給電協議会」を設立すると発表した。 - 軌跡精度の向上で高品質アーク溶接、高い耐ノイズ性と耐環境性の協働ロボット
ダイヘンは、優れた軌跡精度で高品質なアーク溶接ができる協働ロボット「FD-VC4」の販売を開始した。直線や円弧などの軌跡精度を大幅に向上したほか、高い耐ノイズ性と耐環境性を備える。 - 出力1500Aの厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム
ダイヘンは、厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT」の販売を開始する。定格出力電流1500Aはデジタル制御溶接機としては世界最大で、溶接パス数削減や高速溶接により作業工数を大幅に削減する。 - インバーター制御採用のアークスタッド溶接機、大幅な省エネと軽量小型化を実現
ダイヘンは、小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」とスタッドガン「GSK-221 II」を発表した。インバーター制御にすることで、約70%省エネ化している。また、100kg軽量化、小型化しつつも、最大1200Aの出力に対応するなど耐久性に優れる。