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業況はコロナ禍以前の水準に回復 今後は無形固定資産への投資が重要にものづくり白書を読み解く(2)(3/6 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2024年版ものづくり白書」が2024年5月に公開された。本連載では3回にわたって「2024年版ものづくり白書」の内容を紹介していく。

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日本の競争力の弱さの元凶は「ビジネス効率性」にあり

 国際経営開発研究所(IMD)が発表する「世界競争力ランキング」において、2023年の日本の総合順位は過去最低となる64か国中35位だった(図9)。その理由として挙げられるのが、「ビジネス効率性」の順位の低さだ(図10)。低迷は今に始まったことではない。日本は毎年、この「ビジネス効率性」の順位が低位で推移している(図11)。

図9:「世界競争力ランキング」 総合順位の推移
図9:「世界競争力ランキング」 総合順位の推移[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書
図10:「世界競争力ランキング」2023年順位の比較
図10:「世界競争力ランキング」2023年順位の比較[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書
図11:「世界競争力ランキング」における「ビジネス効率性」の順位の推移
図11:「世界競争力ランキング」における「ビジネス効率性」の順位の推移[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書

 この「ビジネス効率性」を構成する要素を細かく見てみると、日本は特に「経営慣行」「生産性と効率性」「態度・価値観」が低く、これらが課題であり続けていることが分かる(図12)。

図12:我が国の「ビジネス効率性」を構成する小分類における順位の推移[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書
図12:我が国の「ビジネス効率性」を構成する小分類における順位の推移[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書

 また、企業が事業に投じた資金を使って、どれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標であるROIC(Returnon Invested Capital:投下資本利益率)について、日本(TOPIX500)、米国(S&P500)、欧州(STOXX欧州600)、中国(上海総合指数)の各企業群の値を比較してみると、日本は2009年から2021年まで最下位に位置している(図13)。

図13:ROICの国際比較[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書
図13:ROICの国際比較[クリックして拡大] 出所:2024年版ものづくり白書

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