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業況はコロナ禍以前の水準に回復 今後は無形固定資産への投資が重要に:ものづくり白書を読み解く(2)(2/6 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2024年版ものづくり白書」が2024年5月に公開された。本連載では3回にわたって「2024年版ものづくり白書」の内容を紹介していく。
製造業に最も影響を及ぼす外的要因は「原材料価格の高騰」
事業に影響を及ぼす社会情勢の変化については、2022年度に引き続き2023年度も「原材料価格(資源価格)の高騰」「エネルギー価格の高騰」を挙げる事業者が多い(図5)。業種別に「最も影響が大きいもの」を比較してみても、全業種において「原材料価格の高騰」の割合が最も高く、次いで一般機械では「労働力不足」、電気機械では「部素材不足」が多く、それ以外の業種では「エネルギー価格の高騰」が挙げられている(図6)。
このような環境変化を背景に、直近3年間で半数以上の製造事業者が「価格転嫁(販売先に対する値上げ要請、消費者価格の値上げ)」「賃上げ(従業員への還元)」「人材確保」を実施している(図7)。一方で価格転嫁が進んでいない企業もあり、大企業、中小企業ともに「取引先からの理解が得にくい/取引先との交渉力が弱い」ことが理由のトップに挙げられている(図8)。
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