リコーとPFUが組み込み機器向けで初の共同開発製品を発売:エッジコンピューティング
リコーインダストリアルソリューションズは、組み込み機器用ATXマザーボード「RICOH FB22-L2S」を発売した。第13世代インテルCoreプロセッサとDDR5メモリ対応により、ハイブリッドコアCPUの強力な性能を提供する。
リコーインダストリアルソリューションズは2024年9月4日、第13世代インテルCoreプロセッサに対応した、組み込み機器用ATXマザーボード「RICOH FB22-L2S」を発売した。リコーグループのPFUとの共同開発製品第1弾で、システムのトラブルを未然に防ぐPFUのハードウェア監視ツール「EmbedWare/SysMon」を導入する。
同マザーボードは、インテルR680Eチップセットの搭載により、第13世代インテルCoreプロセッサおよび第12世代インテルPentium、Celeronに対応する。最新のDDR5メモリに対応し、DDR4メモリより高帯域かつ高いメモリクロックを備え、大容量データの高速処理が必要なアプリケーションに適応する。ハイブリッドコアCPUの強力なパフォーマンスを提供するほか、セキュリティチップの搭載によりハードウェアレベルでセキュリティを確保する。
また、USB3.1(Gen1)とPCI Express(Gen4)スロットを搭載。USB3.1(Gen1)は、5Gビット/秒の最大データ転送速度で大容量のデータ通信に適している。PCIe(Gen4)は、1レーンあたりの実効データ転送速度がPCIe(Gen3)の2倍高速となる。
発売から5年の供給期間と3年の無償保証期間という、手厚いサポートを提供する。国内での設計と生産体制により、顧客との共同解析と最適な設計提案、高品質な製品の迅速な供給に対応する。
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