計画を見直すことは大切だけど、計画を確定させることも必要
2030年に全車EVにする目標を、ボルボ・カーズ(以下ボルボ)が撤回しました。新たに設定したのは、2030年までに世界販売の90%以上を電動車(EV=電気自動車とPHEV=プラグインハイブリッド車)とする目標です。残りは、必要に応じてマイルドハイブリッド車(MHEV)を展開するとしています。2030年時点で90%以上がEVとPHEVというのも十分に野心的な目標ですが、脱エンジンを貫けなかったのは注目を集めました。
ボルボはかなり早い段階で脱エンジンを宣言しました。そのため、ボルボが持っていたエンジンに関する生産拠点や研究開発拠点は、吉利汽車の親会社ジーリーホールディングとボルボの合弁会社に移管されています。
エンジン部門を手放したことは、修正された目標にどの程度影響するでしょうか? 10%以下のMHEVのためであれば、大きな影響はなくコスト面で身軽だと考えられます。ただ、PHEVへの力の入れ具合によっては、エンジン部門が社内にないことが全く影響しないとは言い切れない状況になりそうです。
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ボルボ(Volvo Cars)は2022年11月8日、内燃機関の開発と製造を完全に終了すると発表した。 - ボルボが2030年までに全車EVに、内燃機関やHVは吉利汽車との新会社に移管
Volvo Cars(ボルボ)は2021年3月2日、2030年までに販売する新車を全て電気自動車(EV)にすると発表した。これに向けて、2025年までに売上の半分をEVとし、残りをハイブリッド車(HEV)とする。現在のボルボが持つEVのラインアップは、2020年に発売した「XC40 Recharge」と、2021年3月2日に発売した「C40 Recharge」の2モデル。今後数年間で複数のEVを追加するとしている。HEVなど内燃機関を搭載したモデルは、段階的に廃止する。