FreeRTOSがライバル!? イタリア発のRTOS「BeRTOS」は古のBeOSとは関係ない:リアルタイムOS列伝(50)(3/3 ページ)
IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第50回は、イタリア発のRTOS「BeRTOS」を紹介する。
2015年にGitHubへ移行、そして現在は……
ちなみにBeRTOS 2.7.99時点での対応ハードウェアは以下のようになっている。
- ARM7TDMI:Atmel AT91SAM7、NXP LPC2XXX
- Atmel AVR:ほとんどのAVR8をサポート(Arduinoを含む)
- Cortex-M3:Luminary Stellaris LM3S、ST Microelectronics STM32、Atmel SAM3
- PowerPC/x86/x86-64:エミュレータ動作
ここでLuminary Stellarisというのは、まだ独立企業だったLuminary Microのことで(2009年にTIが買収)、同社のStellarisシリーズはそのままTIから発売されている。またPowerPCがエミュレータのホストに挙がっているのは、まだ当時はPowerPC MacからIntel Macへの移行の途中の時期に当たっており、製品はともかくユーザーはまだPowerPC Macを使っていたという事情によるものである。
ただそれまでは独立して存在していたBeRTOSのWebサイト(図4)であるが、2015年にWebサイトそのものがGitHubにリダイレクトされるようになり、サポートページやコミュニティーなどに一切アクセスができなくなった。
図4 2014年12月30日付のBeRTOSのWebサイト(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)。上のロボットがマスコット? ちなみにこれは英語版で、イタリア語版だと“NOT ONLY A KERNEL”が“NON SOLO KERNEL”になっている[クリックで拡大] 出所:Develer
元のBeRTOSのWebサイトで提供されていたブログエントリ(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)も、2012年4月27日分(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)が最後のようだ。そしてGitHubの方も、2018年11月27日にアーカイブされてしまっている。2012年7月のVersion 2.7.99が最終バージョンとなったようで、以来動きはない。
Develerの“Our free projects”のWebサイトの冒頭にBeRTOSは出てくるので、別になくなった訳ではないのだろうが、もうBeRTOS SDKの販売は行われていない(Premier Supportも多分終了しているのだろう)ので、使う場合は普通にソースを落としてきてビルドするという形になる。
GitHubのBranchを見ても、STM32 Nucleo向けのBranchがある程度で、こちらもVersion 2.7.99である。まぁ、Arduinoあたりに入れて遊ぶには手頃なRTOSかもしれないが、もはやそれ以上ではないというのが正直なところだろう。
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