データ主権を守りながら共有していく、IDSAとは?:加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(3)(5/6 ページ)
本連載では、「加速するデータ共有圏:Catena-XやManufacturing-Xなどの最新動向と日本への産業へのインパクト」をテーマとして、データ共有圏の動向やインパクト、IDSA、GAIA-X、Catena-X、Manufacturing-Xなどの鍵となる取り組みを解説していく。今回は第3回としてIDSAを紹介する。
ユースケース:エネルギーや環境におけるデータ連携
再生エネルギーや水素の活用など従来の枠組みを超えた変化が求められるエネルギー領域においてデータ連携が活発に行われている。例えば、再生エネルギー発電インフラの発電状況と電力需要をデータ連携し適切にマッチングすることや、風力タービンの運用状況をリアルタイムに企業間連携しメンテナンスに生かすことや、電力インフラデータのマーケットプレースの展開などが行われている。また、水素や燃料電池などの新たなインフラの社会実装や、新しいサプライチェーン/エコシステムの構築においてもデータ連携の重要性が増しており多くのプロジェクトが実施されている。
また環境領域では、サーキュラーエコノミーのためにデータ連携を行うプロジェクトも展開されている。データ連携を通じた素材の再利用性の検討や、廃棄物管理、リサイクルの実施など循環型経済の構築においてもデータ連携の重要性が増している。
ユースケース:インフラや防衛におけるデータ連携
鉄道や航空、港湾などのインフラにおいてもデータ連携の取り組みが進む。企業間の鉄道データ連携を通じた予兆保全とコンディションモニタリングを実施する「Rail Data Space」や、運航船舶間のデータ連携を通じた運航オペレーションの最適化を行う「Maritime Data Space」などのプロジェクトが展開されている。また、ウクライナ危機などの防衛論点の重要性の高まりも受けて、公共と民間での防衛や危機情報の安全なデータ連携の取り組みも行われている。
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