データ主権を守りながら共有していく、IDSAとは?:加速するデータ共有圏と日本へのインパクト(3)(4/6 ページ)
本連載では、「加速するデータ共有圏:Catena-XやManufacturing-Xなどの最新動向と日本への産業へのインパクト」をテーマとして、データ共有圏の動向やインパクト、IDSA、GAIA-X、Catena-X、Manufacturing-Xなどの鍵となる取り組みを解説していく。今回は第3回としてIDSAを紹介する。
ユースケース:モビリティや自動車におけるデータ連携
自動車やモビリティの領域においては、多くのプロジェクトが推進されている。最も知られているプロジェクトが本連載でも別途触れるCatena-Xだろう。Catena-Xは自動車業界の100社以上が加入し、データ連携に向けた取り組みを行っている。Catena-Xの現在想定されているユースケースは下記の通りだ。
(1)トレーサビリティー | (4)サーキュラーエコノミー | (7)モジューラー製造 | |
(2)品質管理 | (5)需要/キャパシティーマッチング | (8)オンラインコントロールシミュレーション | |
(3)サステナビリティー | (6)デジタル/ビヘービアツイン | (9)製造as a service |
その他、修理プロセスに力点を置いたプロジェクトや、鉄道や航空など幅広いモビリティデータを連携させる「Mobility Data Space」など多くのプロジェクトが実施されている。
ユースケース:スマートシティーや観光におけるデータ連携
スマートシティーや都市の領域においては、モビリティやインフラ、医療、教育などさまざまな領域のデータを連携していく必要がある。これらのデータ連携により都市の「デジタルツイン」を構築し、都市計画やインフラ計画、シミュレーション、モビリティや交通の最適化などに生かすのである。
例えばブルガリアのソフィア市のデータ連携プロジェクトの「GATE Urban Data Space」においては、都市に関連する公共および民間のデータのデータ連携が図られる。大気質データ、モビリティデータ、交通データ、インフラデータ、空間データ、人口統計データなど多岐にわたる。統合的3D都市モデルやデジタルツイン、社会インフラの最適な位置とアクセス性を分析し、最適設計する、空間的/時間的な大気質分析、主な汚染源の特定、風と大気質のシミュレーションなどの都市環境分析とシミュレーション、太陽光ポテンシャルと建物のエネルギーフットプリント分析などがユースケースだ。
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