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シフトレバーを動かしてから、クルマの動きが変わるまでいまさら聞けないクルマの仕組み(3)(2/3 ページ)

今回はクルマが動く上で不可欠なトランスミッションについて、構成部品やその動作について解説していきます。

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基本構造:油圧制御システム

オイルポンプ

 油圧制御システムはオイルポンプによって駆動されます。エンジンの回転に応じて動くポンプは、トランスミッション内のオイルを高い圧力で送り出し、多板クラッチなどの各油圧アクチュエーターを操作するための圧力源となります。動作流体はミッションオイルです。

油回路

 油圧制御システムには、変速操作を制御するための油回路とバルブが組み込まれています。バルブは油の流れを調整し、トランスミッション内油回路の切り替えや量を調整して物理的な変速制御を行います。


油路の例[クリックで拡大] 出所:運転を楽にするAT変速ってどうなってるの?

多板クラッチ、フレーム

 油回路からの指示を受けて、プラネタリーギヤを直接切り替える機能を担っています。

オイルクーラー

 油圧制御システムは、長時間の運転や高負荷時に発生する熱を制御するために冷却器を利用することもあります。これにより油の温度が適切な範囲に保たれ、オーバーヒートが回避されます。ミッションケースからの放熱で賄いきれる場合は、クーラー単独で搭載されないこともあります。


 ATはMTに比べて自動車の運転が断然楽で簡単になる一方、コスト面や楽しさでは劣ることもあります。とはいえ、最近のスポーツATはMTより変速が早く、サーキットタイムもMT仕様より早い……なんてこともあるのです。

基本構造:MT

 マニュアルトランスミッション(MT)は、運転者がクラッチとシフトレバーを操作して手動で変速するトランスミッションです。ATより単純明快なその構造は、下記の様になっています。

クラッチシステム

 エンジンと変速機をつなぐ役割を果たします。クラッチペダルを踏むことでクラッチが切れ、エンジンと変速機が切り離されます。クラッチペダルを離すとクラッチがつながり、エンジンの動力が変速機に伝えられます。

変速機構

 変速機は歯車(ギヤ)が複数組み合わさることで異なる歯車比を作り出し、車速とエンジン回転数の比を変えます。一般的にはヘリカルギアが使用されます。

シンクロナイザ

 シンクロナイザはギヤを切り替える際に発生する歯車同士の速度差を吸収し、スムーズな変速を可能にします。これにより、ギヤ噛(か)み合わせ時の音や損傷を軽減します。

シフトレバー

 運転者が手動でギヤを変えるための操作レバーで、通常は車内のフロアに位置します。インパネや、古いクルマではステアリングコラムにシフトレバーが配置されていることもあります。シフトレバーの動きによってギヤが選択され、クラッチ操作と組み合わせて変速が行われます。

クラッチペダル

 運転者がクラッチを操作するためのペダルで、足で踏んでクラッチを切ったりつないだりします。クラッチの操作によってエンジンと変速機が切り離され、変速が可能になります。

 MTは構造が比較的簡素な一方、運転者による積極的な操作が求められるために、愛好者にとっては操縦の楽しさがあるとされています。一方で、ATに比べて操作が複雑で、慣れが必要です。

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