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シリコン再資源化設備3号機を増設、3機体制で製造量前年比120%:工場ニュース
アミタサーキュラーの北九州循環資源製造所は、シリコン切削くずを含むスラリーをリサイクルするシリコン再資源化設備の3号機を増設した。
アミタホールディングス(アミタHD)は2024年7月23日、持続可能な調達と資源活用の総合ソリューションを提供するアミタサーキュラーの北九州循環資源製造所(以下、北九州製造所)に、シリコン切削くずを含むスラリーをリサイクルするシリコン再資源化設備の3号機を増設したと発表した
今後は、3機体制で製造量前年比120%を目指し、シリコンアイランド九州における半導体産業のサーキュラー化の加速を目指す。
設備増強の背景および概要
政府は国内産業の中軸に半導体を置き、2030年に向けて総額10兆円規模の官民投資を行う計画を発表している。この状況を受けて、多くの半導体材料メーカーが「シリコンアイランド」と呼ばれる九州エリアを中心に、積極的な設備投資や工場新設などによる生産力の増強を進めている。
一方、アミタHDは、2018年から北九州製造所でシリコン再資源化設備を導入し、2019年には2機体制に設備を増強するなど、半導体材料の製造過程で発生するシリコンスラリーの100%再資源化事業を展開している。
今回の増設により、今後は3機体制となり、2024年度のシリコン再資源化事業におけるサーキュラーマテリアル(循環資源)の製造量は2023年度比120%に拡大見込みだ。
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