タイヤの異常予知に向けた実証実験を共同で開始、トラックの稼働率向上へ:安全システム
住友ゴム工業は、ロジスティードと共同でトラックの輸送効率向上に向けた実証実験を開始した。ロジスティードの車両に住友ゴム工業が開発したタイヤ空気圧や温度を検知し異常を予見、通知するシステムを導入する。
住友ゴム工業は2024年7月4日、ロジスティードと共同でトラックの輸送効率向上に向けた実証実験を開始したと発表した。ロジスティードのトラックに住友ゴム工業が開発したタイヤ空気圧や温度を検知し異常を予見、通知する「タイヤ空気圧・温度管理サービス」を導入する。
タイヤのトラブルを予防することで、車両稼働率の改善、安全性向上、点検作業の効率化、燃費やタイヤ寿命の向上具合いを検証する。同実証実験によりドライバー不足による輸送能力減少の問題、いわゆる「物流の2024年問題」の解決に寄与する。
同実証実験では、ロジスティードグループが保有する首都圏を走行するトラックにタイヤ空気圧監視システム(TPMS)を搭載し、タイヤ空気圧と温度をモニタリングする。走行時にタイヤにトラブルが発生した際には、ドライバーに通知され、車載の通信機から住友ゴム工業のクラウドを通じて運行管理者にもメールで通知される。従来のタイヤ空気圧点検では検知が困難とされるスローパンクも早期発見可能だ。
タイヤの異常による車両の稼働率低下を防止するとともに、ドライバーと積荷の安全性も改善する。加えて、空気圧管理の適正化による燃費上昇や同サービスを利用した運行前点検の効率化にも貢献する。同実証実験は、メンテナンスや車両調達などを一括で管理する「フリートマネジメントサービス事業」の進化を目標としており、住友ゴム工業として国内初の取り組みとなる。
同社は、運送会社、車両リース会社、レンタカー会社など数十社と「タイヤ空気圧・温度管理サービス」の実証実験を実施してきた。海外においては2023年に米国Viaductとフリートマネジメントサービス事業での実証実験を開始している。
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