VS CodeでMicrochipマイコンのプログラミングができるツールのアーリーアクセス版:組み込み開発ニュース
Microchip Technologyは、「MPLAB Extensions for VS Code」のアーリーアクセス版をリリースした。「MPLAB X IDE」の機能とVS Codeの柔軟性を組み合わせることで、開発者にシームレスで効率的な開発環境を提供する。
Microchip Technology(マイクロチップ)は2024年6月26日、コードエディター「VS Code(Visual Studio Code)」向けツール「MPLAB Extensions for VS Code」のアーリーアクセス版を発表した。無償で利用可能だが、一部の高度な機能にはサブスクリプションライセンスが必要となる。
同ツールを利用すると、組み込み設計者はMicrochipのデバッグとプログラミングのサポートを受けつつ、統合開発環境の「MPLAB X IDE」からVS Codeへとプロジェクトをインポートできる。
MPLAB X IDEは、ほぼ全てのMicrochip製マイクロコントローラーおよびデジタルシグナルコントローラーに対応し、組み込み回路の研究や設定、開発、デバッグ、評価に役立つ。今回のVS Code向け拡張機能では、MPLAB X IDEの機能とVS Codeの柔軟性を組み合わせることで、ユーザーにとってシームレスで効率的な開発環境を提供する。
アーリーアクセス版の機能には、MPLAB X IDEプロジェクトのインポート、Microchipデバイスのコンパイル、プログラム、基本的なデバッグが含まれる。また、VS Code内でビジュアルデバッグツール「MPLAB Data Visualizer」を利用すると、デバイスにおける実行時の動作も確認できる。
同社は今後、プログラミング環境「MPLAB Code Configurator」やMPLAB機械学習開発スイート向けの拡張機能、AI(人工知能)コード生成を支援する拡張機能を追加する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサスがマイコンとMPUの全ラインアップに対応するVS Code向け拡張機能を提供
ルネサス エレクトロニクスは、同社のマイコンおよびマイクロプロセッサの全ラインアップに対応する、Microsoft Visual Studio Code向けの拡張機能の提供を開始した。同社独自の統合開発環境「e2 studio」を補完する。 - 「Visual Studio Code」向け拡張機能の最新バージョンを提供
IARシステムズは、Microsoftのコードエディター「Visual Studio Code」を利用する開発者向けに、「IAR Build」「IAR C-SPY Debug Extensions」の最新版となるv1.20の提供を開始した。 - RISC-VプロセッサとFPGAから成るSoCの設計を低コスト化する開発キット
Microchip Technology(マイクロチップ)は、RISC-VおよびFPGA設計を低コストで可能にする多機能なオープンソースの開発キット「PolarFire SoC ディスカバリキット」の提供を開始した。 - 構成可能なロジックブロックや各種アナログ回路を内蔵するPICマイコン
Microchip Technology(マイクロチップ)は、組み込みアプリケーションにおけるカスタマイズ要求の拡大に対応するため、マイクロコントローラー「PIC16F13145」ファミリーを発売する。組み込み制御システムの速度と応答時間が最適化される。 - HSMとフラッシュメモリオプションを備えた32ビットマイコンを発表
Microchip Technologyは、ハードウェアセキュリティモジュールとフラッシュメモリオプションを備えた、32ビットマイクロコントローラー「PIC32CZ CA」の提供を開始した。300MHzのArm Cortex-M7プロセッサを搭載する。 - 複数電圧対応のI3C搭載マイコンを発表
Microchip Technology(マイクロチップ)は、最大2つのI3CペリフェラルとMVIOを備えた少ピン数MCU「PIC18-Q20」ファミリーを発表した。独立した3つの電圧で動作できるため、より大きな全体システムのプライマリMCUと組み合わせて使用できる。