富士フイルム、韓国でイメージセンサー用カラーフィルター材料の生産拠点が完成:工場ニュース
富士フイルムが韓国平澤市で開発を進めていた先端半導体材料の新工場が完成した。本格稼働は2024年12月末を予定している。
富士フイルムは2024年6月14日、韓国平澤(ピョンテック)市で先端半導体材料の新工場が完成したと発表した。
新工場は、半導体材料を扱う韓国の現地法人であるFUJIFILM Electronic Materials Korea(フジフイルム エレクトロニック マテリアルズ コリア)が、韓国平澤市に新たに建設した施設で、イメージセンサー用カラーフィルター材料である「COLOR MOSAIC(カラーモザイク)」を生産する。本格稼働は2024年12月末を予定している。
既存の拠点と同様の生産/品質保証体制を構築
イメージセンサーは、光を電気信号に変えて映像化する半導体で、デジタルカメラやスマートフォンなどに搭載されている。近年、自動車の自動運転や、監視カメラをはじめとするセキュリティ機器、AR/VR機器などへの用途拡大が進んでいる。テクノシステムリサーチのレポート「2023年上期版CCD&CMOS市場のマーケティング分析」によればイメージセンサー市場は年率約7%で成長することが見込まれている。
一方、富士フイルムは現在、イメージセンサー用カラーフィルター材料を静岡の拠点(静岡県吉田町)と、台湾の新竹の拠点(台湾新竹市)で生産している。また、熊本の半導体生産拠点(熊本県菊陽町)でもカラーフィルター材料の生産設備導入を進めるなど、生産拠点を拡充。さらに、高度な機能性分子技術やナノ分散技術などを生かして、可視光領域向けのCOLOR MOSAICにとどまらず、広範囲な波長領域をターゲットとした製品「Wave Control Mosaic(ウエイブ コントロール モザイク)」の開発と市場導入を推進している。
今回、富士フイルムは、COLOR MOSAICの生産能力拡大と現地生産化に向けて、先進技術を有する企業やサプライヤーが集積する韓国平澤市に新工場を建設した。新工場には、今後最先端の製造設備や品質評価機器を導入し、既存の静岡拠点と台湾の新竹拠点や2025年春稼働予定の熊本拠点と同様の生産/品質保証体制を構築することで、事業継続計画(BCP)への対応をさらに強化する。
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