連載
イチから全部作ってみよう(8)発注側の要望を受けて始まる「ヒアリング」の例題:山浦恒央の“くみこみ”な話(177)(2/3 ページ)
ECサイトを題材にソフトウェア開発の全工程を学ぶ新シリーズ「イチから全部作ってみよう」がスタート。シリーズ第8回は、正しい要求仕様書に向けた第一歩となる「ヒアリング」について具体的な例題を使って解説します。
4.ヒアリングの例題
前回も説明した通り、ヒアリングは(1)発注側がやりたいことを説明し、それを受けて(2)開発側がヒアリングを行ってその回答をヒアリングシートに記録します。
4.1 発注側の要望(やりたいこと)
発注側の要望は、下記です。
発注側の説明
株式会社ワールドワインショップでは、商店街のある小さなワインショップを経営している。店では良質なワインを取りそろえているが、売上をさらに拡大するため、ECサイトを新たに立ち上げたい。
また、開発の進め方として、小さい単位で成果物を作りながら開発を行って欲しいと依頼があった。
要望
第1段階として、下記の要望があった。
- (1)トップページに下記のワインをそれぞれ1点ずつ表示すること(データベースなどは考えない)
- (2)赤ワイン:シャトー・マルゴー
- (3)白ワイン:モンラッシェ、ルフレーヴ
- (4)ロゼ:ミラヴァル
- (5)オレンジ※1):シュフマン、ルカツィテリ
- (6)泡白:ボランジェ、スペシャル・キュヴェ
- (7)泡ロゼ:ポメリー、ロゼ
- (8)表示する項目は、「商品名」「価格」とすること
- (9)画面イメージは下記とすること(図2)
- (10)ワインの商品情報には、商品名や価格以外に何が必要であるか検討すること。
- (11)制約
ページの表示のみに着目するため、指定した情報のみを表するだけでよい
※1)オレンジワイン:白ブドウを使い、赤ワインの製法で作ったワイン。少しオレンジ色なので、この名称がある。白ワイン、赤ワイン、ロゼワインに次ぐ「第4の色」として最近、急速に一般化している。
これらの要望の要約として、下記の内容がまとまればOKです。
- 6つのワインを画面イメージに従って表示する
- 商品を表す情報として何が必要か検討する(例えば、在庫数など)
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