旭化成が新横浜に半導体技術開発拠点を新設、製品開発や研究の主要機能を集約:工場ニュース
旭化成エレクトロニクスは半導体の技術開発拠点として「AKM Co-creation&Technologyセンター」(横浜市港北区)を開設する。
旭化成エレクトロニクスは2024年5月8日、半導体の技術開発拠点として「AKM Co-creation&Technologyセンター」(横浜市港北区)を開設することを発表した。AKMは旭化成エレクトロニクスの英名Asahi Kasei Microdevicesの略称で、開設日は同年6月14日を予定している。
新横浜地区に開設されるAKM Co-creation&Technologyセンターには、これまで東京と神奈川の2カ所で行っていた半導体集積回路やさまざまなセンシングデバイスの製品開発、設計、研究開発の各技術開発の主要機能を集約する。また、社外パートナーとの連携を強化し、エンドユーザーや市場の課題をいち早く捉え、その解決策を具現化する。
来客エリアでは、同社技術を用いたソリューションのPoC(概念実証)を実施しており、そのアイデアを具現化したデモ機を展示する「PoCデモエリア」や、同社のオーディオソリューションブランド「VELVET SOUND」製品群の視聴などができる「オーディオルーム」、自動車向けソリューションを搭載したデモ車両を常設展示する「デモ用自動車展示エリア」が設けられている。
旭化成グループでは情報通信やEV(電気自動車)、環境、省エネルギー市場を中心としたデジタルソリューション事業をマテリアル領域の重点成長分野に位置付けており、電子部品、電子材料を併せ持つ強みを生かして「マテリアル領域の大きな収益の柱」とすべく、事業の拡大成長を目指している。
なお電子部品事業では、「センサー技術」「アナログ信号処理技術」「ソフトウェア・アルゴリズム技術」をコア技術として、電流センシングやオーディオ、モバイル機器用カメラ制御などを提供している。
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