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IoTデータの活用可能性を拡大 現場で使いやすいスマホのAIアシスタント製造業IoT(1/2 ページ)

MODEは2024年4月25日、現場で取得したIoTデータを基に、現場作業者を大規模言語モデルで支援する「BizStack Assistant」を同年5月1日に提供開始すると発表した。

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 MODEは2024年4月25日、現場で取得したIoT(モノのインターネット)データを基に、現場作業者を大規模言語モデル(LLM)で支援する「BizStack Assistant」を同年5月1日に提供開始すると発表した。作業者が、スマートフォンなどから自然言語で現場のIoTデータ分析ができる環境を提供する。

現場作業者が使いやすいAIアシスタント

 MODEは2014年に創業した、米国シリコンバレー発のIoTスタートアップだ。ゲートウェイを通じてさまざまなセンサーから収集したデータの統合や蓄積、ダッシュボード上での見える化を実現するIoTプラットフォーム「BizStack」を展開している。

 50種類以上のIoTセンサーに対応しており、多拠点の既存設備から取得したデータを一元的に管理できる点が強みだ。また、現実世界の部門や施設、作業者といった役割や機能などの実体(エンティティ)に沿ってデータを構造化する「Entityモデル」を採用している。IoTデータを収集した時点で実体に合わせたクレンジング処理を行い、直感的かつ権限管理がしやすいデータ構造を実現している。これによって、業務アプリケーションで活用しやすいIoTデータ環境を提供する。現時点で、主に製造、工事、建設などの現場や物流倉庫などで導入が進んでいる。

BizStack Assistantのデモ動画[クリックして再生]

 今回発表したBizStack Assistantは、BizStackのプラットフォーム機能をベースに、現場のIoTデータとLLM(GPT-3.5)を連携させることで作業者を支援するサービスだ。「Teams」や「Slack」「direct」などのチャットツールを通じて、AI(人工知能)アシスタントと自然言語で会話し、必要な情報に効率よくアクセスできるようにする。

 AIアシスタントはリアルタイムで更新されるIoTデータを基に、作業者からの質問に対応する。工場やプラントであれば、温湿度や消費電力、機器の加速度や圧力、冷温水流量、空調機器の動作やカメラの映像などさまざまなデータを活用して回答を生成する。時系列データも扱えるため、期間を指定した質問にも答えられる。

BizStack Assistantの概要
BizStack Assistantの概要[クリックして拡大] 出所:MODE

 これまでのBizStackは、ダッシュボードをPCから確認する仕組みだったため、屋外にいる現場作業者がデータを確認しづらいという課題があった。BizStack Assistantでは、スマートフォンからも利用できるため、現場でのIoTデータ利活用を促進する効果も期待できる。

 MODEが説明会で披露したデモ環境では、「先週の○○トンネルの温度は?」と問いかけると、1週間前のデータに基づく平均温度を回答し、また期間中の1時間ごとの温度推移や最小値を示すグラフも表示した。この他、「消費電力と太陽光発電による発電量を教えて」と質問すると、複数のデータを一度に示すこともできる。映像データの取得も可能だ。「○○オフィスの昨日の11時の映像を見せて」などと依頼すると、それに沿ったデータを提供する。

IoTデータを時系列グラフで可視化する他、映像をリクエストすると(左)、該当するデータをチャット上で表示する(右)[クリックして拡大]

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