連載
有限要素法入門 〜連立方程式の解法、変位の計算〜:CAEを正しく使い疲労強度計算と有機的につなげる(3)(3/7 ページ)
金属疲労を起こした際にかかる対策コストは膨大なものになる。連載「CAEを正しく使い疲労強度計算と有機的につなげる」では、CAEを正しく使いこなし、その解析結果から疲労破壊の有無を予測するアプローチを解説する。連載第3回では、前回作成した全体剛性マトリクスから弾性変形後の変位を求める。そして、変位−ひずみマトリクス[B]を導出する。
要素内部の変位を式で表そう
図5に示した要素内部の任意の点(x,y)の変位を求める式を作りましょう。この式が有限要素法の解析精度を決定づけます。
手掛かりとなる情報は以下の6つです。
- i節点において、つまり座標(xi,yi)において、x方向変位はuiである
- i節点において、つまり座標(xi,yi)において、y方向変位はviである
- j節点において、つまり座標(xj,yj)において、x方向変位はujである
- j節点において、つまり座標(xj,yj)において、y方向変位はvjである
- k節点において、つまり座標(xk,yk)において、x方向変位はukである
- k節点において、つまり座標(xk,yk)において、y方向変位はvkである
要素内部の任意の点(x,y)の変位を求める式を次式としましょう。
先に答えを言っておくと、式24と式25はx,yの1次式です。よって、このような要素を「1次要素」といいます。未知数はα0,α1,α2,β0,β1,β2と6個、手掛かりとなる情報も6個です。連立方程式を解けば式24、式25が作れそうです。連立方程式は以下となります。
3元連立方程式が2セットになりました。式26-1、式26-2、式26-3をマトリクス表示すると次式となります。
行列式を使った連立方程式を求める方法を使います。未知数は次式となります。
β0,β1,β2も同じ方法で求まりますね。
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