GEの3分社計画が完了、銘柄コード「GE」はGEエアロスペースが引き継ぐ:製造マネジメントニュース
GEエアロスペースは、旧GEのエネルギー事業を担うGEベルノバの分社化を完了したと発表した。これにより先行する形で既に分社化しているGEヘルスケア・テクノロジーズを含めて、2022年7月に発表したGEの3分社計画は1年9カ月をかけて完了したことになる。
GE Aerospace(GEエアロスペース)は2024年4月2日(現地時間)、旧GE(General Electric)のエネルギー事業を担うGE Vernova(GEベルノバ)の分社化を完了したと発表した。これに合わせてGEエアロスペースも、航空宇宙事業にフォーカスした企業として正式に発足することになる。また、分社化の完了により両社ともニューヨーク証券取引所への上場を果たす。銘柄コードはGEベルノバが新たに決めた「GEV」を使用し、GEエアロスペースは旧GEが使用していた銘柄コードの「GE」を引き継ぐ。
GEエアロスペースとGEベルノバに先行する形で、ヘルスケア事業を手掛けるGEヘルスケア・テクノロジーズ(GE HealthCare Technologies)は2023年1月に分社化を完了している。同社はNASDAQに上場しており銘柄コードは「GEHC」である。今回のGEベルノバの分社化により、2022年7月に発表したGEの3分社計画は1年9カ月をかけて完了したことになる。
なお、GEエアロスペースは、約4万4000基の民間航空機用エンジン、約2万6000基の軍用/防衛用エンジンを世界で運用しており、旧GE時代から変わらず、航空エンジンとサービス/システムのリーダー企業であることに変わりはない。2023年の売上高は約320億米ドル(約4兆8540億円)で、この内70%はサービスおよびエンジンのアフターマーケットから得ている。また、2028年には営業利益が最大100億米ドル(約1兆5100億円)に達する見込みだという。
一方、GEベルノバは、7000基を超えるガスタービンや約5万5000基の風力発電機をはじめ最先端の電力変換技術によって世界の発電容量の内約30%に貢献している。2023年の売上高は約330億米ドル(約5兆円)で、2028年までに売上高成長率5%前後、調整後EBITDA利益率10%といった事業目標も発表している。
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