コラム
小林製薬の健康被害問題に見る原因究明と情報開示の難しさ:日刊MONOist月曜版 編集後記
「原因究明」と企業としての事業存続を念頭に置いた「情報開示」は切り分けて判断していく必要があります。
この記事は、2024年4月1日発行の「日刊MONOist」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
小林製薬の紅麹(こうじ)サプリメントによる健康被害の影響が広がっています。小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」の服用者で多くの健康被害者が生まれており、日々報告が増え続けています。さらに、小林製薬の紅麹材料を使用する企業についても回収などの影響が広がっています。2024年3月22日に第一報が報告され、同年3月29日には2度目の記者会見が開催されました。その中で、原因究明と情報開示の難しさについて考えされられました。
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