「マルチモーダルAI」をビジネス価値に、EYSCが新規価値創出支援サービスを開始:製造マネジメントニュース
EYSCは「マルチモーダルAI」を活用して新たな価値創出を支援する「マルチモーダルAIを活用した新規価値創出支援サービス」を2024年4月1日から開始すると発表した。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は2024年3月18日、「マルチモーダルAI」を活用して新たな価値創出を支援する「マルチモーダルAIを活用した新規価値創出支援サービス」を同年4月1日から開始すると発表した。
EYSCでは、テクノロジーコンサルティング部門として「デジタルプラットフォーム」「テクノロジーストラテジー&トランスフォーメーション」「サイバーセキュリティ」「マイクロソフト」「デジタルイノベーション」「デジタルハブ」の6つの部門を持ち、テクノロジーによるビジネス革新の支援や新たな価値創出などを進めている。その中で、AI(人工知能)の活用には力を入れており、14億米ドル投資計画の一環として、統合型プラットフォームである「EY.ai」の開発など、企業のAI導入支援に注力している。
これらを背景に今後を見据えて取り組みを本格化するのがマルチモーダルAIだ。現在使用されているAIの多くは、テキストや文書など自然言語である1つのモーダルを処理する「シングルモーダルAI」だ。マルチモーダルAIは、映像や画像、音声情報などさまざまな種類のモーダルを統合的な認識空間で処理するものだ。映像やテキストなどを組み合わせて学習させることで、これらを複合的に捉えて判断するAIエンジンの構築などが行える。
例えば、工場の中の画像をAIで判断する場合、シングルモーダルでは画像のみから何がどこにあるのかという把握を行うが、マルチモーダルでは、さらに工場の運営マニュアルと合わせてAIに解釈させることで、工場が適切に運営されているかまで包括的に把握することが可能となる。EYSC テクノロジーコンサルティング パートナーの山本直人氏は「マルチモーダルAIは人間の判断に似たものだが、人間の認知能力に限界があることを考えると、人間以上に多角的に詳細に捉えることができる。そのため人間の認知能力の拡張につなげることができると考えている」と今後の可能性について語っている。
用途としては、工場の現場でのトラブル発見や対応、設計開発の現場への落とし込みなどの他、宇宙開発での作業支援や危険察知、素材研究での出口戦略などに使用可能としている。「人間を超越した多角的視点や細部を捉える視点を活用できる領域であればさまざまな用途で活用できると考えている。目の前で起こっている事象をテキスト化していくだけでも大きな効果が期待できる」と山本氏は語る。
これらの可能性を持つマルチモーダルAIの活用を企業活動に落とし込むために新たにEYSCが展開するのが「マルチモーダルAIを活用した新規価値創出支援サービス」だ。基本的には勉強会やワークショップから将来ビジョン構想と実現性検証、ロードマップ策定などを経て、実現のための伴走支援を行っていく。山本氏は「基本的には他のIT系のコンサルティングと変わらない面もあるが、マルチモーダルAIは実際に動かしてみないと価値が理解できない場合も多い。まずは手に取れる形で実際の仕組みを動かしてみて、アジャイル型で修正しながら進めていく」と述べている。
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