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検査機を軸に食品/飲料産業のモノづくりをDX、Catena-Xとの接続デモもIIFES 2024(1/2 ページ)

オムロンは「IIFES 2024」において、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation!」に基づいた、制御技術やAI、現場データ活用などを駆使した各種のソリューションを展示した。

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 オムロンは「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)において、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation!」に基づいた、制御技術やAI(人工知能)、現場データ活用などを駆使した各種のソリューションを展示した。

検査データを切り口に食品、飲料業界のDXを推進

 オムロンは2022年にキリンビールの子会社だった飲料検査機メーカーのキリンテクノシステムへの出資を発表し、2023年にオムロン キリンテクノシステムとした。商品の品質にかかわる検査データを切り口に、食品、飲料業界のモノづくりにおいてDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるのが狙いだ。

 オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー F&B検査システム事業部長 兼 オムロン キリンテクノシステム 代表取締役の細川浩延氏は「飲料の生産ラインでは熟練の技能工が製品や製造設備の状態、検査データを基にカン、コツ、経験で設備の調整を行ってきた。また、定期的に製品をサンプリングし、品質もチェックしてきたが、昨今の人手不足により、さらなる自動化、誰にでもオペレーションできる装置が求められている」と語る。

 そこでIIFES 2024で展示したのが、2024年秋頃に初号機の納入を予定しているというオフラインのペットボトル検査機だ。


ブースで披露された検査機[クリックで拡大]

 試験管状のプリフォームを加熱してペットボトルの形にするブロー成形工程では、近年は多品種や軽量化への対応、リサイクル材の採用などからオペレーションがより複雑化している。目視で行われていることも多いペットボトルのオフライン検査を自動化することで、データを現場に役立つ形に変換する「マネジメントデータ化」も可能だ。

 具体的には、オムロンの6軸ロボットとアームの先端についたカメラ、センサーで、ペットボトルの白化や偏肉、肉厚の状態などを検査し、定量データ化する。ロボットや画像センサーを同期制御することで、ロボットの動きを止めずに撮像、検査できるオムロンの「フライングトリガ」を活用しており、現状の展示機は1分間に1本程度の検査が可能となっている。紫外光を当てて白化を検査する手法は特許を取得しているという。また、AIを使って検査データを分析し、従来、熟練者が行っていたブロー成型機のパラメーター調整に対する具体的な作業指示までオペレーターに行う。


基準値を上回ったり、下回ったりした箇所は色を変えて注意を喚起している[クリックで拡大]

「将来的にはブロー成形機に直接フィードバック、フィードフォワード制御をかけに行くことも目指している。きめ細かな制御をするためにはオムロンの制御機器も使用することになり、製造設備のデータを取るためにはそれらのメーカーとのアライアンスも必要になる」(細川氏)

 国内市場は人口減少に伴って大きな成長は難しいが、グローバルでは人口増加や新興国の経済成長により食品、飲料は成長産業だ。

「生産現場ではさらなる生産性と品質の向上を図っていかなければならない。食品、飲料業界の生産現場で今後ますます重要度が増す検査機を軸に、これまで培ってきたi-Automation!の技術と融合して、新たな価値を現場に実装することによって、 先食産業の課題を解決したい」(細川氏)


左がオムロン キリンテクノシステム 代表取締役の細川浩延氏[クリックで拡大]

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