産業用メタバースに向けたAIと没入型エンジニアリングを発表:製造業メタバース
Siemensは、産業用メタバースに向けたAIと没入型エンジニアリングに関するパートナーシップを発表した。オープンデジタルビジネスプラットフォーム「Siemens Xcelerator」を使用した、パートナーとの協業による新製品などを紹介した。
Siemens(シーメンス)は2024年1月8日(現地時間)、産業用メタバースに向けたAI(人工知能)と没入型エンジニアリングに関するパートナーシップを発表した。同月9日より米国ラスベガスで開催された「CES 2024」で、オープンデジタルビジネスプラットフォーム「Siemens Xcelerator」を使用したパートナーとの協業による新製品などを紹介した。
ソニーとのパートナーシップでは、同社のSiemens Xceleratorとソニーの空間コンテンツ制作システムを統合し、新ソリューション「NX Immersive Designe」を提供。没入型のデザイン体験や共同作業に対応する製品エンジニアリング機能を搭載し、産業用メタバースでのコンテンツ制作を可能にした。同年中の提供開始を予定する。
さらに、Amazon Web Services(AWS)とのパートナーシップを強化し、生成AIアプリケーションをより簡単に構築、スケーリングできるようにする。プライバシーとセキュリティを維持しつつ、単一のAPIで高性能な基盤モデル(FM)を選択できる「Amazon Bedrock」と、Siemens Xceleratorの構成要素の1つである「Mendix」を主要なローコードプラットフォームとして統合する。
CES 2024ではこれらに加え、ユーザーがSiemens Xceleratorを使用して、人々の生活(Live)、仕事(Work)、動き(Play)、生産(Make)をどのように変えるかを紹介した。Liveではスマートホームエネルギー管理向け製品ライン「Inhab」を、Workではソニーの複合現実ハードウェアを組み合わせた次世代の産業用メタバースを発表した。
Playでは、Unlimited Tomorrowによる、カスタマイズ可能で手頃な価格の義肢装具を紹介。Siemens Xceleratorにより、動きや輸送手段の開発に貢献している。Makeでは、Blendhubが同社の技術を使用して食料のネットワークを展開するなど、食料不安に対処して食料生産の変革に取り組む事例を紹介した。
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