TOPPANがJOLED能美事業所を購入、FC-BGAの生産能力拡大を目的に:工場ニュース
TOPPANは、有機ELディスプレイ開発/製造のJOLEDと、JOLED能美事業所の土地/建屋の売買契約を2023年11月28日に締結したと発表した。
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは2023年12月5日、有機ELディスプレイ開発/製造のJOLEDと、JOLED能美事業所(石川県能美市)の土地/建屋の売買契約を同年11月28日に締結したと発表した。
JOLED能美事業所の建屋は建屋面積が10万683.40m2で、敷地面積は9万9612.14m2。今後、TOPPANは、JOLEDから購入した能美事業所で、主にデータセンターのサーバ向けや生成AI向けの需要増などでさらに伸長が期待できる高密度半導体パッケージ「FC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)」のさらなる高速伝送やチップレット(大規模な回路を複数の小さなチップに個片化して1つのパッケージに収める技術)に対応する次世代技術の開発および量産ラインの構築を行う。
稼働は2027年以降を予定。なお、同工場ではTOPPANの手掛ける既存のエレクトロニクス製品の生産も検討している。
今回の売買契約締結の背景と狙い
近年は、社会の急速なデジタル化に伴い、データのトラフィック量は年々増加している。このため、チップと樹脂基板の間にインターポーザーと呼ばれる微細配線基板を有する半導体パッケージ「2.xDパッケージ」など、高速大容量伝送に対応できる次世代半導体パッケージが注目されている。
一方、TOPPANは現在、新潟工場(新潟県新発田市)でFC-BGAの生産能力拡大を進めているが、旺盛な需要に対して将来的には新潟工場のみでは拡張余地がなく、新たな生産拠点の確保を検討していた。そこで、JOLED能美事業所は、次世代半導体パッケージの製造工程に求められる条件を満たしていたため、売買契約を締結するに至った。
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