連載
吸音材と遮音材を使ったら騒音を何デシベル低減できる?:CAEと計測技術を使った振動・騒音対策(19)(4/5 ページ)
“解析専任者に連絡する前に設計者がやるべきこと”を主眼に置き、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第19回では、吸音材と遮音材を使ったら騒音を何デシベル低減できるのかを計算してみる。
箱の中の音のエネルギーを求めるには式15と式17がありますが、式17を使いましょう。
残響室中に音源があり、拡散音場となっているときの音のエネルギー密度と音源の出力の関係は次式となります(参考文献[1])。
式18を式17に代入します。
等価損失TLの定義を以下に記します。
箱の外側表面から部屋の中に放射される音のエネルギーは次式となります。
箱の吸音力Aを導入します。吸音力は面積と吸音率の積なので上式は以下となります。
箱の音響出力は以下となります。
作業者が感じる音圧実効値の二乗は連載第17回の式25のQ=2の場合で次式となります。
作業者が感じる音圧レベルは、式24に式23を代入して次式となります。
Aは箱の中の吸音力で次式でした。
R2は部屋定数で次式でした。
式25に式26、式27を代入します。
これで、作業者が感じる音圧レベルを予測できます。2つの吸音率α1、α2と等価損失TLがあるので、Excelに式28を代入して、吸音率と等価損失をいろいろと変えてみて、コスパの良い組み合わせを選ぶことで、騒音対策の最適化ができると思います。
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