連載
騒音低減技術の基本「遮音」と「吸音」を理解する 〜遮音について〜:CAEと計測技術を使った振動・騒音対策(18)(3/5 ページ)
“解析専任者に連絡する前に設計者がやるべきこと”を主眼に置き、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第18回では、騒音低減技術の基本である「遮音」と「吸音」のうち、遮音について取り上げる。
遮音の質量側(の続き)
前ページの式17の左辺第1項、右辺第2項の積分は連載第2回で行いました。以下となります。
I4の積分を計算します。
1周期分の積分だったのでこの積分はゼロです。
式17は以下となります。
垂直入射の透過率の逆数はθ=0[deg]のときで次式となります。cosθは次の拡散入射の等価損失の計算のために導入したもので、垂直入射の検討では不要でした。
垂直入射の透過損失TL0は透過率の逆数をデシベル表示したもので次式となります。式4が導出できました。
数値を代入します。厚さ1[mm]の鋼板とすると1[m2]当たり7.8[kg/m2]となります。500[Hz]の場合を想定しましょう。
式4のカッコ内において、29.6は1よりはるかに大きいので、カッコ内の1をなくします。次式となります。
式24が一般的に使用されている近似式です。200[Hz]以下で厳密式から少し異なる値となります。
参考文献:
- [2]社団法人 日本音響材料協会|騒音・振動対策ハンドブック|技報堂出版(1989)
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