独力じゃDXできない中堅製造業を支援、自走型DXへと導くB-EN-Gの新サービス:製造ITニュース
ビジネスエンジニアリングは、中堅製造業がDXを自走的に推進できるように支援する「DX推進のためのデータ利活用アドバイザリーサービス」を本格展開することを発表した。また、エレクトロニクス商社の東和電気が同サービスの最初のユーザーとなったことを明らかにした。
ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は2023年10月11日、中堅製造業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を自走的に推進できるように支援する「DX推進のためのデータ利活用アドバイザリーサービス」を本格展開することを発表した。また、エレクトロニクス商社の東和電気が同サービスの最初のユーザーとなったことを明らかにした。
DXによって製造業でもデータ活用が注目を集めているが、B-EN-Gでは重要なのはデータに語らせることだと訴える。B-EN-G ソリューション事業本部デジタルビジネス本部 DcXビジネス推進部部長の浅井守氏は「データ活用は目的ではなく収益改善や業務プロセス改善、ITシステム改善などのビジネス成果につなげることが目的だ。これに必要な事項を『データに語らせる』という発想が必要で、データ基盤もそういう仕組みを作る必要がある。そのためには、小さくてもよいのでデータ基盤を活用しながら成果を出す成功体験を作ることが重要だ」と考えを述べている。
ただ、中堅以下の製造業では、こうしたデータ基盤を一から構築し、それを活用してビジネス成果に結び付けるまでのサイクルを独力で作り上げて定着させることは難しいのが現状だ。しかし一方で、多くのプラットフォーマーによるPaaS(Platform as a Service)やSaaS(Software as a Service)が充実してきたことで、以前に比べると中堅企業でも容易にデータ活用が行える環境ができつつある。最初のデータ基盤の構築支援と運用を手助けすることができれば、途中からは独力でもデータ活用が行えるような環境が生まれつつある。
そこで、この中堅製造業が難しい部分のみを支援するためにB-EN-Gが新たに用意したのが、DX推進のためのデータ利活用アドバイザリーサービスである。同サービスはデータ利活用に向けたテーマを抽出して目的に向けたロードマップの作成支援、データマネジメントプラットフォーム(DMP)の構築支援、データ活用の定着を促すデータ利活用促進などを組み合わせたサービスとなっている。「データ基盤を作ってそれで終わりではなく、それを使って人と組織をプロセスとして動かすことが重要だ。そこを中堅製造業に寄り添って実現し、自走できるように運用の支援を行う」と浅井氏は語る。
費用感は「ロードマップ作成支援は隔週5回のディスカッションを想定し150万円からというイメージだ。データ利活用促進サービスは月額15万円からを想定している。DMP構築支援は、規模などによっても変わるので個別見積もりだが3カ月くらいの構築期間でそれに伴う人件費相当だと考えてもらえればよい。年間100万円以下の運用費用で行っているところもある」(浅井氏)としている。
第1号として東和電気が支援サービスを活用
すでに同サービスの第一号ユーザーとして、東和電気がDX基盤整備に着手しているという。
東和電気は、モビリティ、家電、医療機器、重電、IoTデバイスなどのメーカーを主要顧客とするエレクトロニクス商社だ。アジアを中心とした10カ国25拠点でビジネスを展開しており、約1500社のサプライヤーと取引がある。ただ、世界的に変化が大きい中で競争力を高めるために、蓄積されたさまざまなレイヤーでの社内のデータを組み合わせて多角的に分析し、経営の意思決定や営業力の強化などにつなげたい思いがあったという。
そこでまず、社内の各部門、各業務で利用している既存の情報システムのデータを集約、加工、分析できる環境を段階的に整備することから取り組み始めた。柔軟な運用が可能で費用対効果が得られやすいデータ活用基盤として「Microsoft Azure」「Microsoft Power Platform」を中核製品として導入し、第一段階の取り組みとしてレポート作成の自動化を進めているという。
新たなデータ活用基盤では、必要なデータをAzure上に集約、レポートは「Power BI」に置き換え、必要な情報を最新の状態で確認できる仕組みを構築する。Azure上のデータベース構築やPower BIでのレポート開発は、東和電気とB-EN-Gが共同で取り組み、徐々にB-EN-Gから東和電気へと主体を移管する。第二段階としては、新規のレポート開発を進める他、組織としての営業力を底上げするための新たなデータベース構築にも取り組む予定だとしている。
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