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炊飯器のモデリング(その1) 〜おいしいご飯ができるプロセスを科学する〜1Dモデリングの勘所(22)(3/3 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。連載第22回は「炊飯器のモデリング(その1)」として、まずお米に着目し、おいしいご飯ができるプロセス、お米をおいしく炊く経験的方法、お米の構造について農学の知見を学習し、これを受けてお米のモデリングならびにお米を炊く装置(炊飯器)の仕様を考える。

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お米を炊く装置への仕様

 以上の知見を基に、次回検討するお米を炊く装置(炊飯器)への仕様を考える。まず、炊飯器はお米と水を加熱してご飯にする装置である。このためには、お米と水の物性値が必要である。表1にお米、水に関する物性値を示す。お米に関する物性値は代表的なお米に関するものであり、お米の種類、銘柄、年度によって異なる。

お米、水に関する物性値
表1 お米、水に関する物性値[クリックで拡大]

 一方、おいしいご飯を作るためのお釜内部のお米および水の目標温度は図7のように設定する。横軸の時間はお米の種類、年度、好みなどによって異なるのであくまで目安である。このように、最初はゆっくりと加熱し、その後一気に炊き上げ、沸騰状態で一定時間経過後、加熱を止め余熱で蒸らすことになる。この温度変化を実現するように炊飯器をデザインすればおいしいご飯ができるはずである。

おいしいご飯を作るためのお釜内部のお米および水の目標温度
図7 おいしいご飯を作るためのお釜内部のお米および水の目標温度[クリックで拡大]


 次回は、今回の知見を基に種々の炊飯器の分析ならびに理想的な炊飯器のモデリングについて解説する。 (次回へ続く

⇒連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール:

大富浩一(https://1dcae.jp/profile/

日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。


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