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独自技術の近接覚センサーを出荷開始、ばら積みピッキングロボハンドの製品化着手:FAニュース
Thinkerは、近接覚センサー「TK-01」の出荷を開始した。また、ばら積みピッキングができる次世代型ロボットハンドの製品化に着手した。TK-01を用い、従来の産業用ロボットでは難しかった作業への適用が期待される。
Thinkerは2023年7月31日、近接覚センサー「TK-01」の出荷を開始したと発表した。また、ばら積みピッキングができる次世代型ロボットハンドの開発と製品化に着手した。同社の取締役で、大阪大学大学院基礎工学研究科助教授の小山佳祐氏が独自に研究、開発したカメラレスばら積みピッキング技術を活用する。
TK-01は、赤外線とAI(人工知能)を組み合わせた独自のセンシング技術を搭載し、対象物の位置と形を非接触かつ高速に把握できる。同センサーを用いることで、従来の産業用ロボットでは難しかった鏡面、透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップへの適用が期待される。
従来のロボットハンドの多くは、カメラセンシングを用いることから死角ができやすく、ばら積みピッキングが困難だったり、ティーチングに手間や時間がかかるなどの課題があった。同社の近接覚センサー技術を活用した次世代型ロボットハンドを製品化することで、ロボットハンドの適用範囲の拡大を目指す。
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