国内PLM市場規模、2022年は市場が回復して2941億円に:製造ITニュース
矢野経済研究所は、2022年の国内PLM市場規模推移と予測に関する調査結果を発表した。2022年の同市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比5.2%増の2940億5900万円となった。
矢野経済研究所は2023年7月26日、2022年の国内PLM市場規模推移と予測に関する調査結果を発表した。同市場は2021年に引き続き回復しており、新型コロナウイルス感染症の影響を契機としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展などが貢献している。
同調査によると、2022年の国内PLM市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比5.2%増の2940億5900万円となった。2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で製造業の設備投資が減少し、前年比約3.3%減となった。その後、設備投資が回復し、2021年は前年比4.1%増となり、続く2022年も同様に回復している。
その後も堅調に推移しており、2023年には前年比3.7%増の3048億円になると予測。また、PLMはSaaSへ移行しつつあり、ChatGPTなどの生成AIの応用が進むと見られている。市場はこうした新技術を取り込みつつ発展する見込みで、2026年には3476億円に達すると予測している。
注目トピックスとして、製品に搭載のソフトウェアをOver The Air(OTA)で更新するための管理ルーツやモデルベースデザイン(MBD)などを前提とした1DCAE+3DCAD+シミュレーターのようなツールを挙げている。さらに、今後PLMは、AIやビッグデータ解析、シミュレーション、クラウドコンピューティングを取り入れたプラットフォームへの移行が進むと予測している。
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