業務効率化の道具箱(15)ツールを作るより難しい「業務改善の進め方」:山浦恒央の“くみこみ”な話(168)(1/3 ページ)
ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となるシリーズ「業務効率化の道具箱」。第15回は、10人程度の小さな小売店で行った「自分でツールを作る」による業務効率化のケーススタディーを紹介する。
1.はじめに
本シリーズでは、日頃の作業を効率化し、定時で帰宅する方法を紹介しています。主な業務効率化の例は、下記の通りです(詳しくは第154回を参照)。
- スペックの高い機器を導入する
- 使用機器を使いこなす
- ツールを導入する
- 自分でツールを作る
- 働き方を工夫する
今回も前回に引き続き「自分でツールを作る」をテーマにして、筆者が小さな小売店で行った業務効率化のケーススタディーを紹介いたします。
2.自分でツールを作る
業務効率化の有力な方法の1つがツール導入ですが、自社により特化したいという場合は、「自分でツールを作る」「外注にツールを作ってもらう」という選択肢があります。
今回は、小売店のECサイトに機能追加することで、業務効率化したケーススタディーを紹介します。小規模な話なので、大規模/複雑化した昨今の業務に当てはめることは難しいでしょうが、例えば、「10人以下のチームに対してどのようなアプローチで改善を進めるべきか」という観点から、参考にしていただきたいと思います。
3.とある小売店の悩み
筆者は、不定期ではありましたが、街の小さな小売店さんから、IT系のお悩み相談を受けていました。そのお店は、規模こそ小さいものの、 実店舗での販売とECサイト販売の両方を運営しており、商品の専門性が極めて高く、きめ細かいサービスが特徴のお店です。ただし、さまざまな悩みがありました。
特に、同店の大きな悩みが、一般の小規模販売店も同様ですが、IT系のスキルに乏しいことです。一定の規模のお店にはシステム部門が存在し、より良い運営方法を考えますが、数人の従業員で回している同店には、当然、そんな部門はありません。また、同店の従業員は、アルバイトが中心で、商品知識は豊富で、接客も非常によくできるのですが、スマートフォンは持っていてもPCには詳しくありません。そのため、業務の問題を認識できても、解決はできませんでした。
上記の問題点から、筆者と、筆者の友人の二人で、同店の業務効率化の方法を考えることにしました。
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