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業務効率化の道具箱(1)ソフト開発だけじゃないPCの業務効率を高める5つの道筋山浦恒央の“くみこみ”な話(154)(1/2 ページ)

今回から新シリーズ「業務効率化の道具箱」がスタート。ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となる。シリーズ第1回はイントロダクション編として、業務を効率化する方法にどのようなものがあるのかを提示する。

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1.はじめに

 前回まで、約50回(!)にわたり、プログラムに埋め込んだバグを摘出するなど、バグに関するトピックを取り上げました。今回から始まる新シリーズ「業務効率化の道具箱」では、さまざまな仕事を効率よく完遂するための方法を紹介します。自分の業務を見直すきっかけとしていただければ幸いです。

 今回のシリーズ第1回目はイントロダクション編です。業務を効率化する方法にどのようなものがあるのかを提示します。

⇒連載「山浦恒央の“くみこみ”な話」バックナンバー

2.このテーマを選んだ理由

 筆者が会社員だったころ、行き帰りの通勤時間に往復5時間費やし、これにより人生が大きく変わりました。筆者の大まかな日常は以下の通りでした。

 5:30に起床して身支度を整え、6:10のバスに乗ります。冬だと夜明け前で、星が出ています。6:50に最寄り駅から電車に乗り、8:30に会社に到着します。20:00まで就業し、22:30に帰宅。食事をして身の回りのことをして0:00ごろに就寝し、次の日に備えます。

通勤電車
※写真はイメージです

 夜が明ける前にバスに乗り、電車に乗ってしばらくすると、車窓から日の出が見えます。人によっては、「通勤に5時間はもったいない」と思う方もいるでしょうが、ソフトウェア系書籍の翻訳をしていた筆者の場合、貴重な作業時間になりました。早朝のバスや通勤電車では座れるため、必ず一番左端の席に座り(PCを左腕で支え、右手で入力するため、左腕を外へ張り出しても隣の人に当たらない左端がベストポジションでした)、自分の世界に没頭します。

 毎日5時間あると、5〜10ページは翻訳ができます。ソフトウェア系の翻訳だけでなく、翻訳つながりで全く別の業種から執筆依頼が来て、ペンネームでその本を出すことになり、その原稿も電車の中で書きました。結局、15年でソフトウェア系と別業種で20冊以上を上梓しました。通勤時間が徒歩10分なら、翻訳、出版、文筆業とは一切縁がなかったでしょう。本名とペンネームを使うということは、2つの人格で全く別の業種で生きることです。2人分の人生を歩んでいることを痛感します。

 通勤時間が往復5時間であることが筆者の人生を大きく変えました。筆者以上に通勤時間が長い方もいるでしょう。通勤時間は、誰にも邪魔をされない貴重な時間と考えると、いろいろなことができると思います。

 1日に5時間もバスと電車の中にいることで、長い通勤時間を有効に使ったり、会社での勤務効率をどのように上げるかを強く考えるようになりました。これが、本シリーズを始めようと思った理由です。

3.本シリーズの対象読者と目標

3.1 シリーズの対象読者

 本シリーズでは、PCを使う全ての人を対象としており、事務職、管理職、エンジニア、飲食店のアルバイト店員など、広範囲の人を含みます。対象範囲を広く設定しているので、エンジニア以外にも見ていただけます(プログラミング系のトピックは厳しい部分もあるでしょうが……)。

3.2 シリーズの目標

 シリーズを通しての目標は、業務を効率化し、定時で帰ることにあります。

 定時できちんと帰ることで、自由時間を増やし、家庭生活の充実や健康維持が期待できます。そのためには、現在の業務を効率化することが大事ですが、ある業務を効率化しても、膨大な残作業の一部が楽になるだけで、結局、早く帰れないのが実情でしょうか。

 本シリーズでは、「抜本的な改革を爆発的に成し遂げる」より、定期預金レベルのような「コツコツと小さい改善を毎日続ける」をイメージしていただければ幸いです。

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