10BASE-T1S仕様に対応した車載向けEthernet PHYを発表:組み込み開発ニュース
Microchip Technologyは、車載対応のEthernet PHY「LAN8670」「LAN8671」「LAN8672」を発表した。Ethernetの10BASE-T1S仕様に対応し、低速デバイスをシンプルな構成で標準Ethernetネットワークに接続できる。
マイクロチップ(Microchip Technology)は2023年7月14日、車載対応のEthernet(イーサネット) PHY「LAN8670」「LAN8671」「LAN8672」を発表した。Ethernetの10BASE-T1S仕様に対応し、低速デバイスをシンプルな構成で標準Ethernetネットワークに接続できる。
車載信頼性規格のAEC-Q100 Grade 1の認定を取得し、機能安全に対応している。ISO 26262規格準拠のアプリケーション向けに設計されており、専用の通信システムが必要だった低速デバイスでも、標準のEthernetシステムに接続可能となる。
共通のバスラインに複数のEthernet PHYを接続することで、車載アプリケーションを1つのアーキテクチャに容易に実装できる。ケーブル配線とスイッチポート数を削減でき、実装コストを低減する。
通信速度は10Mbpsで、半二重モードやマルチドロップバスライン、ポイントツーポイントなどの回路方式、シングル平衡導線ペアに対応している。TSN(Time-Sensitive Networking)をサポートしており、長距離Ethernetネットワークでの時刻同期が可能だ。
同日より受注を開始しており、正規代理店や同社のオンラインストアで購入できる。開発ツールは、「EVB-LAN8670-RMII」「EVB-LAN8670-USB」「MPLAB Harmony v3」でサポートしている。
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