ノキアのリアルタイム空間音声技術「Immersive Voice」が未来の通話体験を実現:組み込み開発ニュース
ノキアソリューションズ&ネットワークスは、「Nokia Connected Future 2023」において、携帯電話の通話相手がその場にいるような音場を再現するリアルタイム空間音声技術「Immersive Voice」を披露した。
ノキアソリューションズ&ネットワークスは2023年7月27日、東京都内で開催したイベント「Nokia Connected Future 2023」において、携帯電話の通話相手がその場にいるような音場を再現するリアルタイム空間音声技術「Immersive Voice」を披露した。3GPPが2024年に向けて策定する携帯電話の次世代音声規格「IVAS」の導入に併せて、今後スマートフォンなどの通話技術として実装されていく可能性がある。
ノキアはこれまでに、複数のマイクを用いて得た音声データと、それら音声データの指向性などに関わるメタデータを組み合わせて、再現性の高い3D空間音声を収録できる技術「OZO Audio」を開発している。OZO Audioは、パナソニックのVlog向けミラーレスカメラ「LUMIX G100」などに採用されている。
OZO Audioはあくまで3D空間音声を収録する技術であるのに対し、2023年2月の「MWC Barcelona 2023」で初公開したImmersive Voiceは、3D空間音声データを携帯電話基地局などで処理することによってリアルタイムで通話相手に送信できる。3GPPが標準化を進めている次世代音声規格のIVASにも影響を及ぼしており、5G以降の携帯電話の通話で広く利用される可能性もある。
複数のマイクの音声データと関連するメタデータを用いるものの、通信トラフィックについては現在携帯電話の通話に用いられているVoLTEと比べて30%増となる程度に抑えられるという。
展示では、マイクを3個搭載するハイエンドスマートフォンを用いてビデオ通話している状況をイメージした映像とともに、ヘッドフォンで3D空間音声による通話を聞くことができるデモを披露した。通話者が、広い室内から扉を開けて反響音が大きくなる廊下に移動し再度別の室内に入るという流れの中で、臨場感のある3D空間音声を確認することができた。「3D空間音声を出力するデバイスについても、通常のステレオだけでなく5.1チャネルのサラウンドなども対応可能であり、ヘッドトラッキング機能と連動してVR(仮想現実)デバイスの没入感を大きく高めることなども可能だ」(ノキアの説明員)としている。
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