北米市場でテスラのNACSの採用が拡大、CHAdeMOはどうする:和田憲一郎の電動化新時代!(49)(1/3 ページ)
北米でNACSを巡る動きが激しくなる中、日本発の急速充電規格CHAdeMOの推進団体であるCHAdeMO協議会は今後どのような考え方で進めようとしているのか。CHAdeMO協議会事務局長の丸田理氏、同広報部長の箱守知己氏にインタビューを行った。
電気自動車(EV)の充電規格に関して、動きが激しくなってきた。その一例が、フォードやGM(General Motors)がこれまで使用してきたコンバインド充電システム(CCS規格:Combined Charging System)からテスラが採用する北米充電標準規格(NACS規格:North American Charging Standard)への変更する発表だろう。日産自動車やボルボ(Volvo Cars)、メルセデス・ベンツなども後に続き、北米向け製品でNACS規格を利用できるようにすると表明した。
そのような中、日本発の急速充電規格CHAdeMOの推進団体であるCHAdeMO協議会は今後どのような考え方で進めようとしているのか。CHAdeMO協議会事務局長の丸田理氏、同広報部長の箱守知己氏にインタビューを行った。
CHAdeMO協議会の会員数が増加中
和田憲一郎氏(以下、和田氏) 最近、急速充電規格についてさまざまなニュースがあり、CHAdeMO協議会も厳しい局面を迎えているのではないかと思っていた。しかし、総会資料を見ると、ここ4〜5年は会員数が日本国内のみならず海外でも右肩上がりで順調に推移している。これはどのような理由からなのか。
丸田氏 日本国内では、軽自動車タイプのEVが話題となり、これからEVが上向くのではと考える企業が多く、それに伴い急速充電器への期待感が高まってきたように思える。さらに、最近では海外ブランドの輸入EVも増加し、それに関連する企業からも参加が増えている。おそらく急速充電器に対して補助金があることから、中国や韓国などから日本への輸入を考えていることも増加の要因ではないか。
箱守氏 日本国内に存在する急速充電器は、ほぼCHAdeMOとNACSスーパーチャージャーの2種類だが、ステーション数で比較するとCHAdeMOが99に対し、スーパーチャージャーが1の比率となる。具体的にはCHAdeMOが約8000カ所に対して、スーパーチャージャー約80カ所だ。なお、このカウントは急速充電器のプラグ数ではなく、ステーション数を示している。
丸田氏 さらに、海外企業からの参加が多い理由として、世界各地でEV市場が拡大していることもある。特に中国と日本の共同開発案件である超急速充電規格ChaoJiについて、情報を得たいとの思いもあるのではないだろうか。
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