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エアコンのモデリング(その2) 〜冷媒に着目してエアコンをモデリングする〜1Dモデリングの勘所(21)(4/6 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。連載第21回は、エアコンのモデリングに取り組む。まずはエアコンの仕組みと運転方法を確認し、熱サイクルを具体的な冷媒を参照して数値化。さらに圧縮機と熱交換機の原理に触れ、エアコンのモデリングについて説明し、計算例を示す。最後にヒートポンプ式給湯器を紹介する。

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5.圧縮機の仕様を決める

 圧縮機を通過する流量v[m3/s]は、通過するガスの比容積をγ[m3/kg]とすると、

式9
式9

となる。一方、圧縮機の吸い込み容積をV[m3]、圧縮機の周期をT[s]とすると、

式10
式10

となる。一方、図3より、圧縮機の行う仕事Wは概略値として、

式11
式11

となる。

6.膨張弁の仕様を決める

 膨張弁は、高圧液相の冷媒を微小な隙間を通過させることにより冷媒圧力を低下させる。具体的には、項目3.で示した設計圧力を実現させるように隙間を調整する。通常、温度自動調整弁が使用され、蒸発器の負荷変動を蒸発器出口の加熱度(温度)の変化で検知して、加熱度が一定になるように隙間を自動調整する。

7.熱交換機の仕様を決める

 熱交換器は、最大負荷時に十分な熱交換が可能となるように、かつ項目1.の冷暖房能力を実現できるように、ファン流量の設定、熱交換部分のフィンの設計を行う。

8.冷媒の必要質量を決める

 冷媒の密度をρ[kg/m3]、配管断面積をa[m2]、流速をvel[m/s]とすると、

式12
式12

となり、配管長をl[m]とすると、冷媒が一巡する時間は、

式13
式13

となり、冷媒の必要質量は、

式14
式14

となる。

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