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冷蔵庫のガラス板再利用へ、日立開発の付着物除去システムがリサイクル工場で稼働:FAニュース
日立グローバルライフソリューションズは、ガラスドア冷蔵庫のリサイクル処理で、ガラス板を研磨して付着物を除去する「ガラス研磨システム」を開発した。ガラス板を同じガラス素材としてリサイクルできる。
日立グローバルライフソリューションズは2023年6月22日、ガラスドア冷蔵庫のリサイクル処理で、ガラス板を研磨して付着物を除去する「ガラス研磨システム」を開発したと発表した。ガラス板を同じガラス素材として利用する、水平リサイクルが可能になる。
同システムは、ガラス板の表面を複数の回転ブラシで研磨して付着物を除去する「表面研磨方式」を採用。ガラス板の投入角度、ブラシの回転などを組み合わせて研磨し、ウレタンや塗料などの付着物を除去する。幅が広いガラス板は付着物が残りやすい傾向があるが、段階的に回転ブラシを設置することで、さまざまな幅のガラス板に対応する。
同社は2021年に、ガラスドアの再資源化に向けて「冷蔵庫ガラスドア分離装置」を開発。ガラスドアをドア部分とガラス板に分離し、ドア部分のプラスチックや金属などを再資源化できる。一方、ガラス板は、塗料などの付着により、ガラス素材としての再資源化が困難だった。
同システムは2023年7月上旬から、同社を含む家電5社で設立した関東エコリサイクルのリサイクルプラントにて稼働開始予定だ。本格稼働後もさらに改良を進めていく。
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