ダイナミックマッププラットフォームは2023年7月3日、韓国で事業を開始したと発表した。2022年10月にソウル市でDynamic Map Platform Koreaを設立、自動車やスマートシティー向けに高精度3次元地図(HDマップ)のデータプラットフォームを提供していく。今後拡大する韓国のHDマップ市場を取り込む。
ダイナミックマッププラットフォームのHDマップには、車線とその中心線、信号など、ADAS(先進運転支援システム)においてドライバーがステアリングから手を離すことができる「ハンズオフ走行」に必要な地物情報が含まれている。HDマップの製作に必要な計測技術も強みとする。既に日本や北米の量産車で採用実績があり、韓国ではSolDriveをパートナーに韓国の自動車メーカーとの取引につなげる。
韓国でのHDマップ提供により、グローバルでの事業拡大を目指す。また、世界中にHDマップのカバー範囲を広げ、デジタルインフラを形成するとしている。
ダイナミックマッププラットフォームのHDマップは、日系自動車メーカー各社が日本向けのハンズオフ機能搭載モデルで採用。北米では、GM(General Motors)の元子会社で2019年に買収したUshr(アシャー)を通じて日産自動車やGMのハンズオフ機能搭載モデル向けにHDマップを提供している。ADASの他、自動車開発のシミュレーションソフトや除雪車のオペレーション支援にも使われている。
これまで、HDマップの整備は高速道路や自動車専用道路がメインだったが、一般道にも今後広げていく考えだ。2023年度に国道レベル、2024年度に主要地方道のHDマップを整備する計画を2021年に発表している。
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