固定型産業用スキャナーからマシンビジョンに変身、ソフトウェアで機能拡張可能:画像センシング展2023(2/2 ページ)
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは「画像センシング展 2023」において、新たに日本で販売を始めた固定型産業用スキャナーおよびマシンビジョンソリューションなどを用いたデモンストレーションを披露した。
ハードはそのままマシンビジョンへ、ソフトウェアで機能拡張
「VS20/VS40/VS70」はFSシリーズの同番号の機種と同じハードウェアを搭載しているが、マシンビジョンとして多種多様な製造工程における品質検査の自動化に貢献し、欠陥品の削減だけでなく、組み立てや追跡情報を検証することで生産性と品質を向上させる。
FSシリーズ、VSシリーズともにZebra Auroraにより容易に設定、展開、運用が可能となっており、固定型産業用スキャナーにマシンビジョン機能を追加することもできる。つまり、「FS20/FS40/FS70」も追加でライセンスを購入することでハードウェアを変えずに画像処理機能などを付加し、VSシリーズ同様にマシンビジョンとして使用することができる。
ゼブラ・テクノロジーズ マシンビジョン APAC セールスディレクターのチェン・シュー氏は「これまではバーコードスキャナーとマシンビジョンは別々に購入しなければならなかった。今回の製品なら、最初はバーコードの読み取りに使い、その後、OCR(光学文字認識)などを使いたくなれば、Zebra Auroraのライセンスを追加することで簡単にアップグレードしたり、マシンビジョンにしたりすることができる」と語る。
画像センシング展 2023では、FS10/FS20/FS40によるデモンストレーションを紹介した。高速に動くワーク上の2次元コードなどを正確に読み取っていた他、OCRによるテキスト認識も披露した。
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンでは、これまでと同様に代理店を通してこれらの産業向けの製品を提供する。「製造工程などで人が行っていた作業を自動化していく中で、単なる検査だけではなく、これまで人が行っていた確認や判断を代わりに担うカメラが必要になる。パートナーとともに裾野を広げ、マーケットを変えるきっかけになれば」と古川氏は期待する。
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