91.9%のメタバースビジネスが失敗、原因となる13のポイントを解説:製造業メタバース
クニエは、メタバースの事業化を経験した500人を対象に実態調査したレポートを公開した。事業化に失敗した割合は91.9%にのぼり、失敗するメタバースの特徴とともに成功のための提言を解説している。
クニエは2023年5月23日、メタバースの事業化を経験した500人を対象に実態調査したレポートを公開した。事業化に失敗するメタバースの特徴とともに、成功のための提言を解説している。
同調査は、メタバースビジネスの取り組み状況の把握、事業化の成功と失敗要因の抽出を目的に実施。失敗と成功事例を比較することで、事業化に失敗するメタバースビジネスの特徴を13のポイントとしてまとめている。
事業化の成否が明らかになっているケースのうち、91.9%が事業化に失敗していることが判明。さらに分析対象者を絞り込み、「企画内容、ビジネスモデル」「検討プロセス」「組織、体制」の観点から、事業化に失敗するメタバースビジネスの特徴を導き出した。
企画内容、ビジネスモデルでは、失敗する場合の特徴として「既存ビジネスの延長線上の位置づけ」や「メタバースである合理性が説明できない」を挙げる。検討プロセスでは、「ターゲットや課題、ニーズの明確化が不十分」「事業リスクの分析と撤退条件の設定が曖昧」などの特徴が見られた。組織、体制では、「専門性を持つ人材の不足」や「社内外の支援が得られず、孤軍奮闘を余儀なくされる」など指摘している。
同社は今後の成功に向けて、「メタバースはあくまで手段であり、手段の目的化を避けるためにも取り組む意義を見つめ直す」や、「ユースケース起点ではなく、顧客の課題やニーズ起点で検討する」といった提言をしている。
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