製造業のDXプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか?(後編):DX時代のPLM/BOM導入(13)(3/5 ページ)
今回が本連載の最終回です。DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトが失敗する原因について、グローバル製造業の経営企画部門所属の音更さんと経営コンサルタントの鹿追さんに、BOM(部品表)やPLMを軸に議論してもらいましょう。
(7)プロジェクト活動内容を発信していない
では次が最後です! 最後の失敗原因は何でしょうか?
「プロジェクトの活動内容を発信していない」です。
それは、「DXプロジェクトを実施しているのは知っているけど、何をやっているかは知らない」という状況になるやつですか?
その通りです。DXプロジェクトにおいてIT活用はあくまで手段であって、ビジネスモデル変革を起こすことが本当のねらいです。どんどん人を巻き込む必要があります。発信は巻き込みの重要な方法の1つです。
そうですよね。成功企業での例を教えていただけませんか?
下図を見てください。これはモジュラー設計変革プロジェクトで、3カ月に一度社内報告会を行い、改革範囲をどんどん拡大させた例です。
3カ月に一度、報告会を実施ですか! 多いですね(笑)。具体的にどんなことを報告したのですか?
最初にキックオフ、3カ月後に構想企画の結果報告、その3カ月後に製品Aのモジュール受注開始の報告、さらにそのまた次には製品Aのモジュール化について効果測定結果の報告を……といった感じで3カ月間ごとに実施成果の報告と次の計画共有がなされました。
この報告会では、プロジェクトオーナーである工場長の号令で、工場の食堂に管理職以上を集合させ、プロジェクトリーダーが主体となって報告しました。頻繁な報告会でしたが、毎回大変盛況で元気の出る内容でしたよ。
なるほど、社内発信と巻き込み方法のイメージがわいてきました。
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