連載
製造業のDXプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか?(後編):DX時代のPLM/BOM導入(13)(2/5 ページ)
今回が本連載の最終回です。DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトが失敗する原因について、グローバル製造業の経営企画部門所属の音更さんと経営コンサルタントの鹿追さんに、BOM(部品表)やPLMを軸に議論してもらいましょう。
(6)事務的な事務局
次の問題は「事務的な事務局」です。事務局という名称から、その役割はプロジェクトの事務的な仕事だと誤解されることが多いと感じます。
事務局のお仕事は、社内の会議日程の調整や招集、ベンダーや社外の方たちとのメールや資料のやりとりなどだと思っていました。違うのですか?
確かにそれは必須ですが、それだけではプロジェクトの進捗が停滞することを防げません。事務局のもう1つの大きな役割は、プロジェクトで日々発生する課題の解決ファシリテーションです。
なるほど……、あまり考えたことがなかったです。
DX改革が成功するプロジェクトでは、事務局には社内コミュニケーションに長けた調整能力のある方がアサインされています。そういう意味では、コーディネーターと呼んだ方がよいのかもしれません。
コーディネーターは、具体的にどんな活動を行うべきなのでしょうか?
プロジェクトの中で部門を横断する課題が発生した時に、誰を招集し、どのようにナビゲートすれば良いか仮説を考えて、会議をファシリテートしつつ解決までフォローします。
いやー。「DXプロジェクト」と聞くと、要件定義やシステム実装に関するテクニカルなことを勉強しなければいけないと思いがちですが、プロジェクト成功には人に関して注意しなければならない点が多いんですね。
DXと言っても、そのプロジェクトマネジメントを行うのは人です。ですので、その通りですよ。
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