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アクセンチュアが時価総額上位25社に入る企業も行うTERを解説、日本企業の課題とは製造マネジメントニュース(3/3 ページ)

アクセンチュアは「トータル・エンタープライズ・リインベンション(TER)」記者説明会を開催し、TERに基づいて高成長企業の特徴を紹介するとともに日本企業に必要な取り組みを提案した。

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日本企業とTERの動向

 アクセンチュアは日本企業と外国企業のTERへの注力度なども調査した。調査結果によれば、日本企業のTERへの注力度は外国企業と変わらないが、ビジネスケース以上の成果達成を見込む企業は少なかった。また、アクセンチュアのTERプログラムにより再創造企業や変革途上企業を目指す国内企業の売上高拡大率とコスト削減率は基準とした部分最適企業と変わらず、外国企業と比べ財務パフォーマンス期待改善率は低かった。


各国のTER取り組みレベル別企業数構成比(左)とビジネスケース以上の成果達成を見込む企業の比率(右)[クリックで拡大] 出所:アクセンチュア

TERプログラムによる財務パフォーマンス期待改善率(部分最適企業を100としたときの相対比)[クリックで拡大] 出所:アクセンチュア

 「TERプログラム推進のスポンサーは誰か」と対象企業に質問したところ、外国企業と比較し、経営幹部(Cレベル)未満の社員が企業の再創造を推進していると答えるケースが多く、ボトムアップ型により確実的で短絡的な成果重視の取り組みに陥りがちとなっていた。「新興テクノロジーについて、今後1年以内に導入検討を始める」と回答した企業の割合では、日本企業は、次世代のコンピュータとインテリジェンスサービスに関心はあるが、メタバースやWeb3といった新興テクノロジーへの関心が少なく、新興テクノロジーに慎重な姿勢を示した。


「TERプログラム推進のスポンサーは誰か」への回答[クリックで拡大] 出所:アクセンチュア

 「TERを推進するにあたっての『障壁』は何か」と国内の対象企業に聞いたところ、変革対応力やリーダーシップなど、人材/マインド面での改革障壁を挙げる企業が少なく、絶えず変革を生み出すカルチャーとケイパビリティ(企業全体の組織力)の向上が必要だと判明した。「TER戦略パートナーは誰か」と国内外の企業に尋ねたところ、クラウドサービスプロバイダーやERPアプリプロバイダーと回答する日本企業が多く、ビジネスパートナーと答える日本企業は少なかった。このことから、日本企業はERPやクラウドなどのサービスを購入するケースが多く、ビジネスパートナーと協力しこれらのサービスを創出する機会が少ないことが分かった。

 アクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 テクノロジーストラテジー&アドバイザリー グループ日本統括 マネジング・ディレクターの村上隆文氏は「しかしながら、日本は、世界最大級の経済規模と高密度/多様な産業集積により、業界横断型のイノベーションの素地は十分にある。そこで、日本企業は、TER実現の必須条件や再創造企業が持つ6つの価値観を踏まえて、事業の運営や創出するべきだ」と語った。


「TERを推進するにあたっての『障壁』は何か」への回答[クリックで拡大] 出所:アクセンチュア

TER戦略パートナーとして「ビジネスパートナー」を選択した企業の内訳(左)と「TER戦略パートナーは誰か」への回答[クリックで拡大] 出所:アクセンチュア

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