「床が灰皿」だった昔ながらの金型屋が、キッチリ整理の工場に変わった理由:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(4)(2/6 ページ)
本連載では、厳しい環境が続く中で伝統を受け継ぎつつ、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回はプレス金型を製造している飯ヶ谷製作所を取材しました。
電気代を月マイナス5万円にしたアイデア
これはプレス成形機の後ろ側の写真です。飯ヶ谷製作所で使っているプレス成形機は型式が古く、機械から常にエアーが漏れてしまっていたそうです。「古いから仕方がない」とは思いつつも、エアー漏れによる電力の消費が気になっていた飯ヶ谷さん。そこで、写真のような構造を取り付け、使わないときはエアーの栓を閉められるようにしました。
その結果、なんと電気代が毎月5万円ほど削減できたそうです! 「さまざまな配管や配線などの組み立てが結構好きなんです」とおっしゃっていました。
昔は工具や部品が散らばっていた
ここまでご紹介した数々の細かい工夫は、現在ここで働くこの3人にとって、働きやすく、居心地の良い工場を目指してきた結果の一部です。
しかし、昔からこうした環境だったわけではありません。“昔の金型屋”というと、金型メーカーにお勤めの方々は想像がつくかもしれませんが、工具や部品はそこらじゅうに散らばり、床は機械の油でギトギト。中にはタバコを片手に仕事をする人もいて、「働きやすさ」とは程遠い工場だったといいます。
以下の写真は、片付けようと挑戦したもののダメだった時の写真だそうです。飯ヶ谷さんから特別にお借りいたしました。せっかくの棚も、その前に金型や部品が積み上げられていて取りにくくなってしまっています。
そんな状態を脱し、アイデア満載の金型屋になるまでには一体どんな歩みがあったのでしょうか。今回は、飯ヶ谷製作所 社長の飯ヶ谷智(いいがやさとし)さんと、総務/経理と金型製造を行う飯ヶ谷美雪(いいがやみゆき)さんご夫婦に、「働きやすい工場への思い」をお聞きしました。
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