クラウドネイティブアプリもローコード開発、手間のかかるインフラ構築なしで:製造ITニュース
OutSystemsジャパンは、ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」をクラウドネイティブなアプリケーション開発に対応させた高機能版「OutSystems Developer Cloud(ODC)」の日本国内での販売を開始した。
OutSystemsジャパンは2023年4月14日、オンラインで会見を開き、ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」をクラウドネイティブなアプリケーション開発に対応させた高機能版「OutSystems Developer Cloud(ODC)」について、同月から日本国内での販売を開始したことを発表した。海外では2023年1月から販売が始まっていたが、4月の東京リージョンのデータセンター開設に合わせてのローンチとなった。
ODCの最大の特徴は、コンテナや「kubernetes」、各種クラウドサービス、マイクロサービスアーキテクチャといったクラウドネイティブに必須のインフラをフルマネージドで提供する点だ。アプリケーション開発については、OutSystemsの最新版である「OutSystems11(O11)」を引き継いでおり、ユーザー側がこれまで培ったスキルはそのまま活用できる。
クラウドネイティブなインフラの構築と運用はさまざまなエンジニアを用意する必要があるなどハードルが高いことが課題だった。ODCでは、これらのエンジニアの雇用やインフラ構築の作業が不要であり、数千万円以上の費用と12カ月以上の時間を効率化した上で、ローコード開発環境に基づくクラウドネイティブなアプリケーション開発を始められるという。
なお、現時点では、開発したアプリケーションが参照するクラウドネイティブインフラはODCに限られるが、将来的にはユーザーが管理するAWSや「Azure」などパブリッククラウドのkubernetesをサポートする予定である。また、現時点でサポートしていない、カスタムコード拡張、外部データ接続、IPアドレス制限、CI/CD(継続的インティグレーション/継続的デリバリー)ツール連携などの機能も順次追加していく予定だ。
O11からODCへの移行を推進するため、ODCのインフラ上におけるO11の実行環境の提供も計画している。短期的にO11とODCを併用しつつ、ODCの機能拡張やユーザー側のタイミングに併せてODCへの完全移行が行えるようにするため、O11のライセンスでODCを利用できるようにする方針だ(O11からODCへの移行ではない目的での併用は対象にならない)。また、O11も2027年3月まで引き続き提供され、提供を終了する2年以上前にはアナウンスを行うとしている。
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